「モネの池」舞台の“ご当地映画” 市が2000万円を返還請求 岐阜・関市

岐阜県関市にある通称「モネの池」。その美しさから一躍有名な観光スポットになりました。しかし今、この池を舞台にしたご当地映画をめぐって、あるトラブルが起きているといいます。何があったのでしょうか?
岐阜県関市の山奥にある通称“モネの池”。この日も朝から写真を撮りに観光客の姿が見える人気の観光地です。
しかし、このモネの池に関係する“あるトラブル”が起きているというのです。
関市はおととし、これらの観光地などをPRするため「ご当地映画」の企画を募集。兵庫県の企画会社「IROHA STANDARD」が、映画「名もなき池」を制作することになりました。
映画は”モネの池”を舞台にし、「妻を亡くした刀鍛冶が様々な人と関わりながら、再び昔のように刀を打つことが できるのか」という人間模様を描く、あらすじ。
市はこれまでに補助金「2000万円」を交付しましたが、思わぬトラブルが。
「すべてを信用してたから」「段取りが悪すぎるというか段取りがないに等しい」。こう話すのは映画の主演俳優の伊達直斗さん。
伊達直斗さん:「出演料半分は、まだ入ってないです」
支払い期限を複数回にわたり延長され、先月末までに全額支払われるはずの出演料がいまだに振り込まれていないといいます。
さらにー。
伊達さん:
「小道具がいない、衣装さんいない、照明部いない。自分たちで自分たちの小道具作ってましたね。台本読んだら、あまりにも台本が薄っぺらだったんですよ。チャットGPT(AI)で書いた台本だからと言っているんですよ、スタッフの方が」
通常の撮影ではありえないことがいくつもあったと話します。
伊達さん:
「(協力してくれた人には)本当に申し訳ないとしか言いようがない」
撮影に協力した店でも飲食代の支払いが遅れるなど、市によると既に支払い済みのものも含め10件以上の金銭トラブルが確認されています。
交付された2000万円もの補助金はいったい、どこへー。
兵庫県と愛媛県での公開が決まっていますが、岐阜県内での公開のめどはたっていません。
こうした事態をうけ、市は3月18日。
森川哲也 副市長:
「市から補助した2000万について返還いただくよう進めていく予定です」
市が求めていた「今年度内に4週間以上の上映」が見込めないなど、補助金交付の条件を満たさないことから、補助金2000万円全額の返還を求めることを明らかにしました。
この決定に地元住民はー。
関市民:
「関市のPRになるものだったら、ちゃんと公開してほしいですし、そうでないなら、ちゃんと税金なので返還して欲しい」
「名古屋とか近隣で公開するとか、兵庫や愛媛ではPRで映画を流して、関市に来たいって人はなかなか難しい。ちょっと遠いですよね」
そして、20日、兵庫県淡路島にある映画館で試写会が行われていました。
記者:「我々、テレビカメラは入ることはできますが、撮影はNG。中に99席座席があるのですが、埋まっている席は1つもありません。つまりお客さんはゼロです」
試写会で登壇した監督とプロデューサーを務める男性は「関市から突然3月末までに4週間以上の上映を求められ困惑している」などと話しました。
市民の税金で制作された“ご当地映画”をめぐるトラブル。補助金2000万円の行方はどうなるのでしょうか…。
【中京テレビ 「キャッチ!」 3月20日放送より】