【防犯カメラに映った恐怖の一部始終】ドア1枚を隔てた向こうに“黒づくめの不審者” 手にはバールのようなものが… 「怖いっていう感情しかなかった」
自宅に突然“黒ずくめの不審者” 防犯カメラが捉えた侵入の瞬間
「怖いっていう感情しかなかったです」
こう話すのは、ある恐怖の出来事に巻き込まれた女性です。名古屋市千種区の自宅の防犯カメラには、その一部始終が映っていました。
10月8日の正午すぎ、1台の黒い車が女性の家の前を通り過ぎ…バックで戻ってきました。
再び動き出したかと思うと、すぐに止まり、車から1人の人物が降りてきます。服装は全身黒づくめ、晴れているのに傘を差し、顔を帽子と布のようなもので隠しています。手元を見ると、手袋まで…。
そして、その人物は女性の家のインターホンを押しました。
この時、中にいた女性は「3回インターホンを鳴らされたんですけど、宗教勧誘だと面倒くさいと思って居留守を使った」としながらも、外の様子を探ろうと防犯カメラの映像を確認しはじめました。
その人物は、家の中に誰もいないと思ったのか、車に戻っていったのですが、しばらくすると再び出てきます。その手にはバールのようなものが握られていました。
そして次の瞬間、「ガンッ! ガンッ!」という音と共に、防犯カメラが上を向きます。おそらくバールを使って、防犯カメラを映らない角度に動かしたのです。
ドア1枚を隔てた、すぐそばまできていたバールを持った人物。通報を受けた警察が駆けつける前に立ち去っていったということですが、鉢合わせていたら、一体どんなことになっていたのでしょうか…。
住民の女性:
「鉢合わせが一番怖いので、しなかったのは不幸中の幸い。できることを最大限やる必要があるなって思いました」
防犯カメラの工作を防ぐには? ポイントは設置する“高さ”と“角度”
今回のケースで不審者に気づけたのは防犯カメラがあったからこそ。しかし、ただ設置すればいいというものでもないようです。
映像セキュリティ業務などを手がけるトリニティーの兼松社長は、防犯カメラの効果的な設置には、いくつかの注意点があるといいます。
兼松社長がまず言及したのは、防犯カメラを設置する高さ。3~4メートルの間に設置するのが一般的だということです。
今回のケースでは玄関の構造上、少し高さが足りなかったようですが、撮れた映像は問題ありませんでした。ただし、壁につけて角度を自由に変えられる「バレットタイプ」の防犯カメラだったため、犯人に向きを変えられてしまいました。
トリニティー 兼松拓也社長:
「触られても向きが変えられないというのが重要なポイント。天井に付けるカメラはドーム型を推奨しています。カメラの向きを変えられにくい」
さらに、今後の防犯のために設置角度の改善にもアドバイスがありました。最近は置き配などで玄関扉の下に物が置かれることもあるので、画角をもう少し下に向けた方がいいと指摘します。
最近では、AIが人を感知してスマホに通知する機能を搭載した防犯カメラも人気があるということです。
トリニティーの調査によると、市街地の一戸建て住宅の防犯カメラの普及率は約3割ということですが、設置するとなると気になるのが費用です。
防犯カメラを購入して設置する場合、カメラの性能などにもよりますが、費用は1台で約25~30万円ほど。機材代や取り付けなどの諸経費含め1か月5000円程度から利用できるレンタルプランもあるということです。
しかし、犯人にとって“防犯カメラがあるのは当たり前”になりつつあるので、防犯カメラの設置だけでなく、防犯対策としてできることを最大限に取り入れて、少しでもリスクを減らすことが大事なのかもしれません。