【ふるさと納税】今年は“値上がり予想”の「卵」が人気!“片付けのプロ”が整理整頓してくれるユニークな体験型返礼品も話題
今年度も過去最高の寄付件数を更新する勢いの「ふるさと納税」。今年は値上がりが予想される、「卵」が大きな人気を集めているようだ。お得感に加えて、“高品質”な品物が選ばれる傾向が強い今年。漁業界では、“質”を守るために、返礼品の値上げに踏み切るなど、価格高騰の波と戦いながら高品質な返礼品を届けようと試みる企業の努力も垣間見えた。
申し込み数は約3倍!名古屋コーチン卵が人気急上昇
年末の駆け込みで、この時期申し込みが急増する「ふるさと納税」。寄付による“返礼品”のラインアップが毎年話題を集めているが、大手サイト「ふるさとチョイス」によると、今年はお得さに加えて、価格高騰の影響も相まって、高品質な返礼品が選ばれる傾向が強いそう。なかでも今年人気を集めている返礼品は、年末年始に“値上がり”が予想される「卵」。中京テレビ「キャッチ!」では、名古屋コーチン発祥の地・愛知県小牧市の返礼品に今年追加された「名古屋コーチン卵の定期便」を取材した。
訪れたのは、愛知県小牧市にある「河瀬養鶏」。お客さんからは、「栄養があるで、ここの卵しか買わない」「コクがあって、(卵を)ご飯にかけて食べるとおいしい」など声が寄せられるなど、地元で有名な卵だ。「河瀬養鶏」河瀬秀哉さん曰く、おいしさの理由は「秘訣はエサですね。飼料にこだわりがある」という。独自にブランドした自然由来の餌を与え、手間暇かけて育てられた名古屋コーチンの卵は、濃厚でコクのある味わいが自慢。鮮度にもこだわっているため、卵かけご飯にもぴったりだ。
今年の返礼品のキーワードである「高品質」の要素も兼ね備えた、愛知県小牧市の名古屋コーチン卵。返礼品として選ばれた数は、去年の約190セットに対し、今年は約550セットに急増。去年と比べて、約3倍の申し込み数となったという。名古屋コーチン卵の人気を受け、河瀬養鶏・河瀬さんは「(申し込みが)すごく増えた感じはします。知ってもらうキッカケになると思います」と述べた。
今年は、福島第一原発の処理水放出による輸出の減少や燃料費高騰などの影響を受けた漁業関係者を支援するべく、水産物を積極的に購入しようという動きが活発化。北海道のホタテなど海産物への寄付額も倍増した。
しかし、燃料費高騰や梱包材などの値上げの影響で、返礼品の値上げに踏み切らざる得ない状況となった漁業関係者も多くみられた。三重県尾鷲市の返礼品「尾鷲まるごとヤーヤ便」もそのひとつだ。「尾鷲まるごとヤーヤ便」は、尾鷲市自慢の特産品がたっぷり詰まった大人気の返礼品。今年度はマグロやカンパチの刺身、郷土料理「さんま寿司」など、32品目が準備されている。
しかし、船の燃料代や道具、梱包材などの値上がりを受け、「尾鷲まるごとヤーヤ便」は今年から値上げを決意。その結果、2022年には230件あった申し込み数は、2023年123件に減少してしまったという。市内にある29の業者が参加している「尾鷲まるごとヤーヤ便」。値上げに踏み切った経緯について、「尾鷲まるごとヤーヤ便 実行委員会」実行委員長・世古美沙樹さんは、「(返礼品の値上げは)簡単に決められることではなかったので、どうしたらいいか考えました。関わっている事業者さんのこともあるので、価格をあげるという判断をした」と当時を振り返る。続けて、「品質の良いものを届け続けた上で、返礼品の申込数を増やしていきたい」と語った。
「尾鷲まるごとヤーヤ便」では、公式YouTubeチャンネルを開設し、地元の中学生と共に返礼品のPR活動を実施。地域一丸となって、返礼品の“質“”を守りながら、魅力を発信し続けている。
プロによる整理整頓も!? 個性豊かな体験型返礼品も注目
コロナ緩和による移動制限も撤廃されたことから、送料がかからない“体験型“の返礼品も人気を集めている。グライダーの滑空場のある岐阜県大野町では2万5000円の寄付で、インストラクター同乗でグライダーの搭乗体験を実施。また、三重県志摩市では3万4000円の寄付で高級リゾートサウナ「カブクリゾート」の貸切サウナ利用券を返礼品に、愛知県南知多町では4万円の寄付で船釣り&船上BBQが体験できるなど、自然を満喫できる個性豊かな体験型返礼品がラインアップされている。なかでも“新しい形”として話題を集めているのが、名古屋市の返礼品。7万2000円の寄付で、なんと整理収納アドバイザーの資格をもつ2人の“片付けのプロ”を家に派遣。3時間かけて部屋の片付けと収納のアドバイスをしてもらえるというユニークな内容だ。
返礼品を受け取る楽しさはもちろん、地域活性化にも繋がる「ふるさと納税」。HP等で”返礼品”のラインアップを眺めてみるだけでも、地域の新しい魅力や面白さを発見できるかもしれない。