プロ級の腕前“画伯ポリス” 2年で100作品を描く 絵で市民にメッセージを伝える 愛知・常滑警察署
愛知県常滑市の市内各所に温かい絵のタッチが特徴のポスターが貼られています。
常滑市民:
「インパクトがありますね、たしかに。詐欺が目立つので分かりやすいと思うし、お金と電話があるので詐欺っていうイメージはあります」
「(絵のタッチが)あたたかい。『緊急』って言っているけど柔らかいので、伝わってきやすいです」
実は、ポスターを描いたのは小鈴谷駐在所に勤務する渡邊淳巡査部長(43)。警察官歴20年のベテラン警察官です!
渡邊淳巡査部長:
「若い人からお年寄りまで誰にでも分かりやすい絵にしたいという風に思っています」
渡邊さんが描いていたのは自転車の二重ロック啓発のポスター。
市内で自転車の盗難被害件数が去年の2倍以上に増えていることから市民に二重ロックの必要性を呼びかけます。
渡邊巡査部長:
「疲れて会社や学校から帰ってきて自転車がなくて悔しい思いをしている人がいるので被害を少しでもなくせたら」
この2年間で渡邊さんが描いたポスターなどは約100点。
同僚の似顔絵を使ったポスターや万引きを抑止するもの特殊詐欺への注意を呼び掛けるポスターまで!
記者:「あだ名とかあるんですか?」
常滑警察署地域課 屋田大輔警部補:「“渡邊画伯”というのがありまして…」
プロ顔向けの腕前に同僚からついたあだ名は「画伯」。子どもの頃から絵を書くことが大好きだった渡邊さん、YouTubeなどを使って独学で絵を学んできました。
渡邊巡査部長:
「前は同僚の似顔絵とか遊びで休みの時に趣味で描いていました。趣味の範囲を超えて仕事の中で役に立てるというのはすごく僕としても喜ばしいことです」
渡邊さんの人柄が現れる温かい絵に近所の人からもその評判は上々です。
近所の人:
「絵のうまい方で。すごいお上手。住民にとけ込むのが早いんです。気さくで本当
に話しやすくて。期待しています」
10月16日、渡邊さんが訪れたのは市内にある高齢者施設。特殊詐欺被害防止の啓発イベントを行いました。
渡邊巡査部長:
「ずっと前からあるんだけど、分かってはいるんだけどだまされちゃう人はだまされちゃうんですね」
得意の絵にアニメのように動きをつけた自作のスライドで特殊詐欺の手口などを分かりやすく説明します。
参加者:
「知らないでいて失礼と思いながら電話をきっちゃった、よかったのかな」
渡邊巡査部長:
「大丈夫、大丈夫です」
参加者:
「(渡邊さんが描いた絵は)すごい、きれいに描いてある。上手に描いてある」
「一つ一つが身に染みて分かりやすかった」
みんなが安心して過ごせる町作りをめざしていきたいという渡邊さん。
渡邊巡査部長:
「できるだけ注目してもらえるようにいろんなところで(自分の絵を)使って少しでも警察からのメッセージが伝わるようにしたい」
【中京テレビ 「キャッチ!」 10月31日放送より】