同性婚認めないのは「違憲」 愛知の男性カップルが訴え 全国の高裁で4例目の「違憲」判決
同性婚を支持:「(同性婚が認められるように)ならなきゃダメかなと」「一日も早く日本で同性婚が認められるところ(を期待)」
同性パートナーを持つ:「えらい権利を求めていなくてただ単に皆さんと一緒に淡々と生活していく。皆さんと同じような幸せを考えている」
7日、名古屋高裁が出した判決は、一審に続いて「違憲」との判断を示しました。
愛知の原告 鷹見彰一さん(仮名):
「自分も同性愛者かもしれないと思ったときに、こういう判決が(自分も)生きていていいんだということにつながったり。よりよい日本になっていくのではと思ってるので、踏み込んだ判決になって本当によかった」
ともに30代の男性カップル、大野利政さん(仮名)と鷹見彰一さん(仮名)。愛知県の原告として国を訴えています。
6年前に始まり、全国5か所で同性カップルらが国を相手に損害賠償を求めて訴えを起こしているこの裁判。
去年、3か所の高裁で、「同性婚を認めないことは違憲」だと判断されました。
東海地方では、おととし5月、名古屋地裁が「国の制度によって同性カップルの関係を保護する枠組みすら与えていない不利益は重大」として「違憲」と判断。
一方で、「国会が正当な理由なく放置していたとはいえない」として賠償請求は退けられ、原告が敗訴した形に。
これを不服として原告側が控訴。さらに、ふたりの生活に大きな変化が起きていました。
大野利政さん(仮名):
「赤ちゃんみたいに (小さなところから)始まって、歩き回って一緒に遊んで、縁があって生まれてきて我が家に来てくれて、本当にありがとうと感じる日々です」
1年半ほど前に保育園に通う里子を迎え、互いに”パパ”と”ママ”と呼びあう3人での生活がスタート。
さらには去年3月、名古屋家裁が「異性同士の夫婦と実質的に変わらない」とし、鷹見さんは戸籍上の名字を「大野」に変更することが認められたのです。
裁判が始まってから6年。各地の高裁の判断を受け、今回の判決に期待を寄せていました。
そして迎えた7日、名古屋高裁の判決は、同性婚が認められないのは「合理的な根拠を欠く性的指向による法的な差別扱いだ」などと、一審に続いて「違憲」との判断を示しました。
また、法律婚制度を利用できないことで、同性カップルが育てる子どもにも不利益が想定されると指摘しました。
一方、賠償請求については「最高裁判所の判断はいまだ示されていない」などとして、退けました。
鷹見彰一さん(仮名):
「東京・札幌・福岡も含めて関西にいいバトン渡せたと思ってるし、(私たちの)子育ての話も取り上げていただけたことが裁判官が真摯に向き合って判決文を書いてくれたのが伝わってきてよかった」
二審での「違憲」判決は、名古屋が4例目。一審で「合憲」の判断がされた大阪での訴訟についても、3月25日に大阪高裁で言い渡されます。
【中京テレビ 「キャッチ!」 3月7日放送より】