能登半島地震 愛知から12時間かけ珠洲市に 医師「病院が避難所みたい」 愛知・さくら総合病院
地震発災直後、現場に急行した愛知県大口町のさくら総合病院・小林院長。
さくら総合病院 小林豊病院長:
「金沢の北でしょ。近いじゃない(というつもりでいた)」
2日の朝、ドクターカーに乗って愛知県を出発。アスファルトがひび割れた道路を12時間かけて進み、珠洲市総合病院へ入りました。
小林病院長:
「救急車が断続的に入ってくる状況でしたし、歩いて受診される方もいる。病院自体が避難所みたいになる。被災者が被災患者ではないのに病院で寝泊まりしている状態」
病院を頼り避難してきた人と、患者が入り交じる中、不眠不休で病院を守ってきた、現地のスタッフとともに、次々とやってくる救急患者に対応していたといいます。
小林病院長:
「中年の看護師さんで、家が津波で流されてしまったので病院にいるしかないのでやむなく仕事をしている方もいた。救急外来の空いている診察室でちょっと座ってほっとする。それが唯一の休憩だった」
小林院長たちは、現地スタッフに代わって、夜間の救急対応も担当。交代でわずかな仮眠を取り、患者を迎え続けました。
3日以降の日中は避難所へ。どこも、医療体制は乏しく、ケガをしたままの人も多くいました。
小林病院長:
「避難所への医療の巡回は全くされていない状態。けがをしたまま我慢している人や 軽いけがもあれば、明らかに病院に搬送しないといけない人が、ただただ寝ているだけで我慢している」
発災から1日以上経っても、避難所に医療の手が届かない現状。これまでの大災害とは、異なる問題を感じたと言います。
小林病院長:
「現実的に行ってみたら、壁のように地割れがあったりとか、行き交うことができない道路が多数・広範囲にあった。明らかに他の大災害に比べて医療チームが現場までたどり着けていない。自衛隊が現場までたどり着けていなかったのが問題」