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母親平手打ち 0歳児虐待死か 児相「傷やあざなど確認できず…」訪問予定の前日に死亡

2024年7月11日 20:20
母親平手打ち 0歳児虐待死か 児相「傷やあざなど確認できず…」訪問予定の前日に死亡

当時0歳だった息子の顔面を殴るなどの暴行を加え死亡させたとして、母親が逮捕されました。近所の住民は、泣き続ける赤ちゃんの声をよく聞いていたといいます。

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千葉・船橋東署で10日夜、一瞬だけ前を向いてから無表情で車に乗り込んだ女。その後、顔を上げることはありませんでした。

傷害致死などの疑いで11日朝、送検された野中千宙容疑者(26)。警察によると、野中容疑者は去年3月から7月までの間、自宅などで長男・千巴弥ちゃんに暴行を加え、生後11か月で死亡させるなどした疑いが持たれています。

野中容疑者
「ストレスで頭にきて平手で殴って床に投げてしまった」

去年7月、千巴弥ちゃんが冷たくなっていることを夫から聞き、自ら通報した野中容疑者。千巴弥ちゃんは搬送先の病院で死亡が確認されました。頭蓋骨骨折と脳内出血が認められ、死因は脳損傷でした。

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当時住んでいたアパートの近所の住民は、赤ちゃんが泣き続ける声をよく聞いていたといいます。

近隣住民
「深夜も聞こえているし、昼間通っても聞こえているし…とにかくすごい声で泣いているので、赤ちゃんが普通に泣く感じじゃなく、かんしゃくみたいな感じの泣き声で、あやしたりとかはしていない感じの声」「1日2~3回通るんですけど、通るたびに時間帯変えて、結構泣いていたような気がします」

近隣住民
「2人で出かけるのは見るけど、子どもを連れてない。だっこしているのは1~2回しか見たことなかった」

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夫、千巴弥ちゃんの姉の長女と、家族4人で暮らしていたという野中容疑者。

しかし、野中容疑者が妊婦健診を受けずに出産したことなどからネグレクトの疑いがあるとして、千巴弥ちゃんは生後5日のタイミングで児童相談所に一時保護されていたというのです。

去年4月、千巴弥ちゃんが生後7か月のときに一時保護は解除。一緒に暮らすようになってからも児童相談所は、定期的に家庭訪問を繰り返していたといいます。

去年7月20日に予定されていた家庭訪問は、野中容疑者と夫の発熱で、1週間後(7月27日)に延期に。その訪問の前日(7月26日)、千巴弥ちゃんは亡くなりました。

定期的な家庭訪問では…

児童相談所の担当者
「私どもの関わりの中では、身体的虐待と判断するまでの傷・あざ等は確認されませんでしたので」

傷やあざは確認できなかったといいますが、警察の調べに対し野中容疑者は、「去年3月ぐらいから暴行を加えていた」と供述しています。

ちょうど、一時保護が解除されたころを指すのでしょうか。

一方で…

児童相談所の担当者
「養育について困り感とか、うまくいっていないという訴えは、その時点ではなく、私たちのほうで引き続き、安全な養育に努めてくださいということをお伝えして」

一時保護が解除されてからの面談で、野中容疑者から「養育に困っていない」という趣旨の説明を受けていたといいます。

児童相談所の担当者
「こういったことにつながるということが、想定できなかったかといいますと、それは本当に我々の配慮が足りなかったのか、それについては今後検証していく必要があると思います」

警察は、野中容疑者に育児へのストレスがあったとみて調べています。