“100年はん濫なし”荒川下流域の自治体トップ集結「防災」と「魅力ある憩いの場」 両輪で整備進める
荒川の下流部にあたる「荒川放水路」は東京の水害対策として整備され、水が通ってから今年で100年となります。26日、荒川流域にある自治体のトップらが集まり、気候変動にあわせた防災対策のほか、利用者に愛される水辺空間の整備などを進めていくとした行動宣言を採択しました。
荒川下流部にある岩淵水門から東京湾までのおよそ22キロの区間は「荒川放水路」と呼ばれ、1924年10月に水が通されてから今年で100年となります。
26日、東京都北区にある荒川下流河川事務所では、東京都と埼玉県、それに荒川流域にある9の市と区のトップらが集まり、荒川とその流域の将来像について議論されました。
「荒川放水路」は1924年の完成以降、度重なる台風や水害でも一度も決壊することなく、流域住民の安全を守ってきましたが、協議会では、地球温暖化や気候変動などによって年々激甚化する水害、地震などの防災対策などに挑戦していくほか、利用者に愛される水辺空間の整備に取り組むことなどを柱とした「荒川放水路通水100周年行動宣言」を採択しました。
今年、荒川流域では、100周年の様々な記念事業が予定されていて企画展のほか、流域のおすすめスポットを紹介するガイドブックやスタンプラリーの実施などを通じて、荒川の魅力を伝えていきたいとしています。
国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所の出口桂輔所長は、「防災と、笑顔あふれる空間づくりの両輪で進めていきたい」と話し、今後、防災対策の整備とともに、流域の住民にとって憩いの場となる水辺整備も進めていきたいとしています。