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【過去にもあった】台湾地震で津波注意報 多発地帯…観測で“日本と共通点” 「緊急地震速報」や「10段階の地震階級」

2024年4月3日 16:34
【過去にもあった】台湾地震で津波注意報 多発地帯…観測で“日本と共通点” 「緊急地震速報」や「10段階の地震階級」

3日午前、台湾付近を震源とする最大震度6強の地震が発生し、沖縄にも一時、津波警報が発表されました。台湾の地震で、日本に津波注意報が出されたことは2022年にも―――。日本と同じく地震多発地帯の台湾では、「緊急地震速報」や「10段階の地震階級」など、日本と共通する観測態勢もとられています。

(2022年9月26日「週刊地震ニュース」を再編集)

■2022年9月にも宮古島・八重山地方に「津波注意報」

▼2022年9月18日に発生した台湾の地震では、宮古島・八重山地方に一時、津波注意報が発表されました。ただ実際には津波は観測されませんでした。

▼台湾では震源に近い東部沿岸部で最大震度6強を観測。そのほか台湾の広い範囲で震度3以上の揺れを観測しました、建物は崩れ、橋が崩落するなど大きな被害がでました。

震源が台湾の内陸部だったため津波は発生しませんでしたが、仮に震源が海底だった場合、津波が発生して日本にも影響を及ぼす可能性がありました。台湾では地震が相次いでいるため、注意が必要です。

■「プレート境界」日本との共通点

台湾と日本の共通点のひとつは、「プレート境界に位置して地震が多い」ことです。台湾はフィリピン海プレート、ユーラシアプレートなどの境界部分に位置しています。

日本も複数のプレート同士が接しているところにあり、世界有数の地震多発地帯となっています。台湾でおこる規模の大きな地震の多くは、東部から東方沖で発生しています。

■1999年の「921地震」 死者2400人超

台湾の内陸部ではかつて大きな被害が出た地震も発生しています。1999年9月21日に台湾中部で発生した「集集地震」、「921地震」とも呼ばれています。マグニチュードは7.7。

この地震では死者2400人以上、負傷者8700人。当時のニュース映像では、高い建物がいくつも倒れている様子も。

内陸で発生する地震では、足元の近く浅いところで発生するため、地震の規模のわりに大きな被害が出てしまうこともあります。

■震度5強以上 4日間で6回発生したことも

▼2021年からの震央分布図です。2022年9月18日に地震が発生した場所の付近は地震活動が活発な地域です。この震源近くではマグニチュード7クラスの地震が時々発生しているということです。

この付近では9月17日から地震が多発していて最大震度5強以上の地震が20日までに6回発生しています。

■テレビ画面に「地震情報」 日本を参考に?

台湾では、2016年から緊急地震速報にあたるものが、テレビに流れるようになっていて、実用化されているといいます。

日本の気象庁にあたる台湾の「中央気象局」によりますと、地震の情報を自治体やメディアに送ったり、テレビ番組の画面に挿入したりという取り組みは、日本の地震防災の取り組みを参考にしているそうです。

■台湾の9月21日は「防災の日」

台湾では、スマートフォンに地震や津波情報が届きます。

毎年9月21日を「防災の日」としていて、2022年は地震と津波の警報を携帯電話に送信する試験を実施したそうです。

■震度「0」~震度「7」まで10階級

▼台湾の震度階級は震度「0級」から「5弱」「6強」など「7級」まで10階級で設定されています。これは日本の気象庁の震度階級とほぼ同じです。日本の震度階級を取り入れたとも言われています。

▼台湾の震度階級表には震度と、それによってどのような被害や災害がおこるのか解説が書かれています。

「震度5強」では「ほとんどすべての人がパニックに」。家の中の状況は「家具が動く転倒する」屋外の状況は「建物の壁の一部がはがれる」、「山岳地帯で落石」などと説明されています。

海外でおきた地震であっても場合によっては、日本に津波の影響が出る可能性があります。海外でおきた地震だからと安心せずに、最新の情報を確認してください。

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