【解説】沖縄の津波…過去に“最大30メートル級”も 「地震が少ない」は“誤り” M8クラスの可能性も 「週刊地震ニュース」振り返り
3日午前に発生した台湾付近を震源とする地震。沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に一時津波警報が発表され、昼までに最大30センチの津波が与那国島・久部良などで観測されました。過去、最大30メートルもの津波が押し寄せたとされる沖縄。「沖縄は地震が少ない」というイメージを持つ人も少なくないが、政府は巨大地震が起きる可能性も指摘しています。(2022年4月25日『週刊地震ニュース』を再編集)
政府の地震調査委員会は2022年3月、沖縄でマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率を90%と公表しました。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。
■海岸付近にある巨大な岩ー
この岩は、「津波岩」と地元で言われています。
昔の津波で打ち上げられたと推定されていて、南西諸島にはこうした岩がいくつもあり海岸から少し離れた内陸の高台などの場所にも巨大な岩があります。
■沖縄周辺の過去の地震活動はー
南西諸島での過去の地震活動です。
この100年間にマグニチュード7以上の地震が少なくとも10回発生していることが分かっています。「津波岩」を運んだとされるこの1771年4月24日に発生した八重山地震津波もあります。
この地震では沖縄県の先島諸島に最大でおよそ30メートルの高さの津波が押し寄せたとされています、津波による死者・不明者は1万人を超えたのではないかと 伝えられています。
沖縄では東側からフィリピン海プレートが沈み込んでいてプレート境界付近でおこる大きな地震も懸念されます。大陸側にも沖縄トラフと呼ばれる谷状の海底地形があるため、地震活動は活発です。
2022年3月、政府の地震調査委員会は、与那国島周辺ではマグニチュード7.0から7.5程度の地震発生確率が今後30年以内で90%と公表しています。
さらにマグニチュード8クラスの巨大地震が起こる可能性があることも指摘しました。
■沖縄で大きな地震が発生しないは間違い
地震の専門家である、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「『沖縄地方で大きな地震は発生しない』は間違い。自治体担当者、住民には、改めて防災対策の必要性を認識してほしい」と話しています。