岸田首相“襲撃”逮捕の男 参院選立候補できず国を相手に提訴「憲法違反だ」と話すことも
和歌山市で、岸田首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件で、逮捕された男が去年、国会議員の選挙制度に不満を持ち国を相手に裁判を起こしていたことがわかりました。
この事件では、兵庫県川西市の木村隆二容疑者が、岸田首相の演説会場で爆発物を投げ込んだとして現行犯逮捕され、17日に送検されました。
木村容疑者は黙秘を続けていて、動機はわかっていませんが、国の選挙制度に不満を持ち神戸地裁に裁判を起こしていました。
裁判資料によりますと、木村容疑者は、去年7月に行われた参議院選挙に立候補しようとしたものの、被選挙権を満たさず立候補できなかったことで精神的苦痛を受けたとして、国に対し10万円の損害賠償を求めていました。訴えは退けられ、大阪高裁に控訴しています。
また、去年9月には、木村容疑者とみられる男が川西市議会議員の市政報告会に参加し、被選挙権について「憲法違反だ」と話していたこともわかりました。
一方、爆発があった演説会場の漁港では、18日朝から警察のダイバーが、現場のすぐ横にある海に入り爆発物の破片の捜索を行っています。
現場では、爆発物の本体の一部とみられる筒状のものやボルトが数個、40メートルほど離れた場所で見つかっていて、警察は、木村容疑者が爆発物を自作したとみて、殺傷能力があるかないかを慎重に調べる方針です。