新国立劇場25周年の来季へ向け公演発表会見 吉田都芸術監督「私たちにできることを…」ウクライナ侵攻に言葉詰まらせる場面も
開場から25周年を迎える新国立劇場で、今年秋からの新シーズンの公演について会見が行われました。バレエ団の吉田都芸術監督は、ウクライナ侵攻について、「私たちにできることをするしかない」と話し、言葉を詰まらせながら答える場面もありました。
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1日、東京・渋谷区の新国立劇場では、今年秋から始まる新シーズンの公演の発表記者会見が行われました。
新国立劇場は、1997年に現代舞台芸術の国立劇場として幕をあけて以来、オペラ、バレエ、演劇などの公演が行われてきました。来シーズンは開場から25周年になり、劇場では、バレエ「ジゼル」、オペラ「アイーダ」などの記念公演が行われることが発表されました。
記者会見で吉田監督は、新国立劇場でたびたび指揮をしてきた指揮者アレクセイ・バクラン氏がウクライナ在住であることから、ウクライナ侵攻についても質問を受けました。
吉田監督はバクラン氏の無事を確認できたとした上で、「本当に起こるとは思わなかったことが起きた」と語り、「芸術は、戦争が始まってしまったら…」と言葉を詰まらせる場面もありました。
その理由について、吉田監督は、イギリスでの自らの現役時代を振り返り、「湾岸戦争が始まったその日に『白鳥の湖』を上演していて、『戦争が始まったのに、こんなことをしている場合じゃないのに』と思いながら、普通に上演が行われたことを思い出していた」と明かしました。
その上で、吉田監督は「私たちにできることをするしかない」と述べています。