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ロシアによるウクライナ侵攻…「ハイブリッド戦」とは?

2022年2月25日 19:15

各国の外交努力もむなしく、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が24日、始まった。岸防衛相は今回の侵攻について、「軍事手段と非軍事手段を組み合わせたいわゆる『ハイブリッド戦』の手法を取ったとみられる」との見解を発表。いわゆる「ハイブリッド戦」とは、どのようなものなのか?

■ロシアによるウクライナ侵攻は「ハイブリッド戦」

24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった。軍事侵攻はウクライナ東部の親ロシア派の支配地域にとどまらず、首都キエフを含む複数の都市にはミサイルが撃ち込まれたほか、空爆や地上部隊の投入など昼夜を問わず攻撃が続けられている。

岸防衛相は25日の会見で、ロシアによる軍事侵攻について、「軍事手段と非軍事手段を組み合わせたいわゆる『ハイブリッド戦』の手法を取っているものとみられる」との見解を示した。

軍事手段については「多数の弾道ミサイルや巡航ミサイル、多連装砲、航空機などを用いたとの指摘がある」として「複数正面から様々な兵力を用いた同時多発的な攻撃を行っていると考えられる」と指摘した。

一方、非軍事手段については、ロシアが独立国家として承認したウクライナ東部のいわゆる“2つの共和国”が「ウクライナ軍による砲撃」を主張したのに対し、ウクライナ側は「偽情報だ」と主張するなど、異なる情報が錯そうしている状況を例に挙げた。

■いわゆる「ハイブリッド戦」とは?

いわゆる「ハイブリッド戦」とは何なのか。

日本の防衛省が毎年発行している「防衛白書」では、「ハイブリッド戦」を「軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法」と定義し、こうした手法は相手に対し、軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになると説明している。

通信や重要インフラへのサイバー攻撃や、インターネット上などで偽情報を拡散する情報戦を組み合わせることで、外形上は武力攻撃と明確には認定しがたい方法で混乱を招くのだ。

今回、ロシアによる軍事侵攻が始まったのは24日だが、それ以前にウクライナの議会や省庁へのサイバー攻撃が確認されている。またロシアが偽の情報を拡散させているとアメリカ政府が指摘していた。

ロシアは2014年のウクライナ危機でも同様の手法を用いている。