能登半島地震 震源断層は「長さ150キロ」 活断層との関連は
政府の地震調査委員会は、1日に石川県能登地方で発生した最大震度7の地震をうけて臨時の会合を開き、今回の地震の震源断層は150キロにもおよび、これまで知られている活断層が動いたことによる地震ではないという見方を示しました。
石川県能登地方で1日、最大震度7の揺れを観測したマグニチュード7.6の地震をうけて、政府の地震調査委員会は2日、臨時の会合を開き、その発生要因やメカニズムについて研究機関のデータをもとに議論を行いました。
その中で、国土地理院は人工衛星「だいち2号」で陸域の動きを観測したところ、石川県輪島市の西部で、最大4メートル程度の隆起と、最大1メートル程度の西向きの地殻変動がみられたということです。
さらに、地殻変動の観測データなどから分析した結果、1日の地震によって北東から南西方向に延びる長さ150キロ程度にわたって断層が破壊されたと推定されることがわかりました。
また、今回の地震は震源の位置などから、石川県能登地方で2020年12月から続く群発地震活動のひとつと評価しました。地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直名誉教授は、一連の地震活動は地下深部の「流体」が関与している可能性が高いという見方をしていますが、今回の地震と「流体」の直接的な関連はわからないと説明しました。
また、現時点では「これまでに知られている活断層が動いたものではない」との見方を示しています。
一方、能登地方で続く群発地震の活動領域はこれまで能登半島の北東部が中心でしたが、1日の地震以降、能登半島のほぼ全域に広がっています。
このため、これまで地震活動が活発でなかった地域でも、規模の大きな地震が発生する可能性があり、海底で大地震が発生した場合には再び津波がおこる可能性もあるとして、強い揺れと津波に引き続き注意してほしいということです。
能登地方では強い揺れを伴う地震が頻発していますが、気象庁によりますと、1日から2日午後4時までに震度1以上を観測した地震回数は198回にのぼっているということです。
去年5月、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.5、最大震度6強の揺れを観測した地震発生以降も余震が続き、地震発生前の状態に戻るまでおよそ3か月かかりました。こうしたことから、地震調査委員会は今後、少なくとも数か月は地震活動が活発な状態が続くとして、注意を呼びかけています。