「体操」と「買い物」をセットに 高齢者向け介護予防サービスの効果は? “買い物難民”問題の解消も
高齢者の健康的な体づくりと、買い物をセットにしたサービスが注目されています。認知機能の低下を防ぐことも期待され、また、“買い物難民”という課題の解消にも役立っているということです。
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群馬・中之条町の高齢者施設。元気なシニアたちが体を伸ばしていました。平均年齢は80歳を超えています。
利用者(84)
「体操は楽しみです」
転んでけがをして介護が必要になるのを防ぐための体操です。行われたのは体操だけでなく――
利用者(86)
「楽しみのヤオコーでのお買い物!」
「スーパーでのお買い物」が、体操とセットになっていました。
スーパーで、片手で軽快に買い物カートを押していた利用者の飯塚幸男さん(84)、何か探し物がある様子です。この日、どうしても欲しいというものが――
飯塚幸男さん(84)
「ゴミ袋!」
しかし、なかなか見つからず、調味料コーナーでうろうろしていました。
介護スタッフ
「何か?」
飯塚幸男さん(84)
「ゴミ袋、どこだっけ?」
すると、すかさず店内を巡回していた介護スタッフがサポートしました。
飯塚幸男さん(84)
「ここか! ありがとうございます。これで自由に(ゴミ捨てが)できる」
これは“買い物リハビリ”という介護予防を目的としたサービスで、対象は主に介護の必要性が低い高齢者などです。介護保険制度を使って行われているため、少ない自己負担でサービスを受けることができます。(制度の適用は対象者のみ)
何を買うか考え、レジで会計をするなど頭を使うことで、認知機能の低下を防ぐことも期待されています。
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さらにこの買い物リハビリは、“自宅までの送迎”がセットになっているということです。
利用者(86)
「私のところはバスが通ってないし、助かりますよ」
“買い物難民”という山間部ならではの課題解消にも役立っているということです。
飯塚幸男さん(84)
「週に1回来てるんですよ。体が軽くなるね、運動すると」
利用者(86)
「引きこもっちゃうと大変だからね」
家に閉じこもりがちな高齢者が運動する、貴重な外出の機会になっています。
Pure Next 塚田純次代表取締役
「買い物とかプラスの要素が加わることで、体操もおっくうだけど行ってみようかなということもある」
“買い物”という楽しみが、健康的な体をつくっています。