気象庁の海底地震観測システムに障害 緊急地震速報が最大約13秒遅れる可能性も
静岡県御前崎から三重県志摩半島にかけての東南海沖にある気象庁の海底地震観測システムで16日未明から観測データが送信できない障害が発生しています。仮にこの周辺を震源とする地震が発生した場合、緊急地震速報の発表が最大で13秒程度遅れる可能性があるということです。
気象庁によりますと、16日午前1時53分ごろから静岡県から三重県の沖合の東南海沖の海底に設置している「東南海ケーブル式常時海底地震観測システム」の地震計と津波計で障害が発生しているということです。
8つある、すべての観測点で電力が供給できず、観測データが送信できない状態になっています。
これらの観測点のデータは緊急地震速報の発表に使用されていますが、仮に、この観測点の周辺を震源とする地震が発生した場合、緊急地震速報の発表が平常時より最大で13秒程度遅れる可能性があるということです。
一方で、津波警報や地震情報の発表には影響はないとしています。
これまでのところ復旧のメドはたっていないということで、気象庁は引き続き障害の原因を調査するとともに復旧を急ぎたいとしています。
「東南海ケーブル式常時海底地震観測システム」は南海トラフ巨大地震の監視を目的として2008年に設置されたもので、水深およそ1000メートルから2000メートルの海底に複数の地震計と津波計が設置されています。
今年8月にも地震計から正常な観測データが送れない障害が発生していました。