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天皇陛下 世界遺産の寺院を視察 「若い世代同士の交流」に期待 インドネシア訪問

2023年6月22日 21:11
天皇陛下 世界遺産の寺院を視察 「若い世代同士の交流」に期待 インドネシア訪問

天皇皇后両陛下はインドネシアを訪問しています。天皇陛下は22日にジョグジャカルタ近郊にある世界遺産「ボロブドゥール寺院」を訪れました。今回の訪問で印象に残ったこととしてあげられたのは「若い世代との交流」でした。

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インドネシア・ジョグジャカルタ近郊にある世界遺産「ボロブドゥール寺院」。8世紀から9世紀にかけて建てられた、世界最大級の仏教遺跡です。

天皇陛下は22日午前、ボロブドゥール寺院に到着し、石の階段をのぼられました。まず、釈迦(しゃか)の一生を描いたレリーフが続く回廊で、説明を熱心に聞かれました。

陛下が着用されていたのは、ジャワ伝統の染め物、「バティック」のシャツです。また、靴ではなくサンダルを履かれていました。サンダルはほかの入場者と同じもので、石を傷つけないためのものだそうです。

中に仏像が納められている仏塔が立ち並ぶエリアでは、ポケットからカメラを取り出し、自ら撮影をされる場面もありました。

陛下は訪問の感想をこのように述べられました。

「歴史に関心があるものとして、ぜひ一度、訪れてみたいと思っておりましたので、今回このような形でボロブドゥール寺院を訪れることができましたこと、大変うれしく思っております」

サンダルについては…

「サンダルは思っていたより履き心地が良かったです。そしてまた、サンダルを履くことによって、この寺院を保存しようという、そういった方々の熱意を強く感じました」

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天皇皇后両陛下は、令和となって初めての国際親善訪問としてインドネシアに滞在されています。お二人そろってでは、21年ぶりとなりました。

今回の訪問で、陛下が印象に残ったこととしてあげられたのは「若い世代との交流」です。

「学生さん方が非常に高い志を持って、日本語あるいは日本文化を学ぼうとしている様子。しかも、自分の思っていることを非常に洗練された良い日本語で私たちに語りかけてくれたことが、非常に印象に残っております」

両陛下は、20日に現地の大学を訪れた際には、日本語を学ぶ学生たちと懇談されました。

大学4年生
「私の夢は将来、外交官になることです。日本とインドネシアの架け橋になりたいと思います」

大学生が日本語で、将来の夢などを語る姿に感心されていました。

大学生
「(卒業論文の)テーマは慣用句についてです。例えば「水くさい」という言葉があり、私たち外国人から見ると「水がくさい」と感じます。調べましたら、語源は水分が多いと味が薄くなるということから、愛情が薄くなりよそよそしい様(ということが分かりました)」

天皇陛下
「テーマが面白いですね」

皇后さま
「日本には?」

大学生
「行ったことないです」

天皇陛下
「ぜひ日本に来てください」

陛下は、若い世代同士の交流がより深まることに期待を寄せられました。

「将来的に、この日本に関心を持っているようなインドネシアの方々。また、インドネシアに関心を持っている日本の若い方々。相互の交流によって、両国間の親善関係がより深まることを心から願っております」

天皇陛下は日本時間午後5時すぎ、ジャカルタへ向けて出発されました。23日に皇后さまとともに帰国される予定です。