北陸新幹線敦賀から西への延伸めぐりルート決定が難航 着工に懸念示す京都 大阪への配慮も
北陸新幹線の敦賀から西への延伸をめぐって、与党の委員会が目指していた年内のルート決定が難航しています。着工への懸念を示す沿線の京都 大阪への配慮から、ルートを一旦2つに絞り込む案も浮上しています。
18日、北陸新幹線の敦賀・新大阪間の整備を検討する与党の委員会は、来年度の認可・着工の前提となるルートの絞り込みに向けて詰めの協議をしました。
委員会は当初、小浜から京都市を通って大阪につなぐ「小浜・京都ルート」の3つの案から年内に1つに絞り込む予定でした。
その風向きが変わったのは先週。
■京都市 松井孝治市長
「酒造りだけではなく、京料理や染色など、京都の生活文化、産業文化を支えてきた水に対する懸念を伝えた」
沿線自治体のヒアリングで、京都府知事や京都市長から、地下水への影響や、費用負担への懸念が示されたのです。
関係者によりますと、中間のとりまとめ案が示され、沿線の京都府への配慮から、3つのルート案のうち2つに絞り込むことなどが盛り込まれていたということです。
これに対し福井県選出の稲田朋美議員は福井の立場を尊重した訂正を求めたということです。
■西田昌司委員長
「残念ながらまだ本日は結論が得られず いろいろ懸念事項が言われている 協力してもらえるように情報提供しないといけない もう一度協議する」
■稲田朋美衆議院議員
「小浜京都ルートで新大阪までつなげるという前提は全く揺らいでいない その前提のもとで、一日も早い着工、そして開業へ向けるために、しっかり北陸新幹線で福井が前進しているというところを示していきたい」
こうした与党の動きに、県内からは一定の理解を示す声が上がりました。
■杉本達治知事
「ヒアリングも各自治体でされて、いろいろな事情が明らかになってきたので、包み込みながら結論を出してもらう ゴールはとにかく、一日も早い全線開業」
■西本正俊議員(小浜市三方郡三方上中郡選出)
「京都府に大阪府 沿線自治体に色々な課題がある 沿線自治体が納得できる段階を踏んでもらって、丁寧に進めることが大切 そうすることが一日も早い全線開業に繋がる」
■県議会新幹線議連 仲倉典克 会長
「ルートが決まらなければ、財源もいくら必要なのか算出できないので、早いうちに決めることは大事だが住民理解 特に環境負荷に対してそれを払しょくする 住民への説明責任は出てくる」
年末に向けて来年度予算案の編成が大詰めを迎える中、与党の委員会では20日にもう1度協議をして結論をまとめることにしています。