水島に渡る旅客船に亀裂 修理後も検査受けず運航 会社と船長らを書類送検

2024年8月、敦賀市の水島に渡る旅客船で船体に亀裂が見つかり、修理をしたにもかかわらず、必要な報告や検査をせず運航を続けていた問題で、運航会社と当時の船長2人が書類送検されました。
書類送検されたのは、敦賀半島と水島を結ぶ定員60名の旅客船「第八観光丸」を運航する滋賀県彦根市の近江トラベルと、船長を務めていた滋賀県長浜市の57歳と43歳の男性2人です。
敦賀海上保安部などによりますと、この会社は、乗客が船に乗り込む際に船の傾き方に違和感を感じ、職員が右側の船尾に亀裂があることや、後方の床下に水が溜まる状況を確認して、修理を行ったにもかかわらず、1週間にわたって船の運航を続けていました。
海上保安部では、2024年9月に、近江トラベルの本社や敦賀営業所、それに第八観光丸を家宅捜索し、安全規定に関する書類を調べるなど捜査を進めていました。
その結果、船長が事故の報告や修理した後、検査を受けないまま運航を再開し、安全を確認する義務を怠ったなどとして、会社と57歳の船長を船舶安全法違反と海上運送法違反の疑いで、43歳の船長を船舶安全法違反の疑いで書類送検しました。
海上保安部の調べに対し、いずれも容疑を認めているということです。