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原発の廃炉作業で出る「クリアランス金属」市民がじかに触って 安全性や活用策に理解深める

2025年2月26日 19:39
原発の廃炉作業で出る「クリアランス金属」市民がじかに触って 安全性や活用策に理解深める
原発の廃炉作業で出る「クリアランス金属」の活用策について市民が理解深める(24日敦賀市)

原発の廃炉作業に伴って出る廃棄物のうち、放射能の濃度が極めて低い「クリアランス金属」。国はその安全性を認めています。一方で、リサイクルは進んでいないのが現状で、敦賀市内で市民が「クリアランス金属」を実際に見て触わってその活用策に理解を深めました。

敦賀市で開かれたイベントに集まった人たちが、重そうに運んでいるのは、廃炉作業が進むふげんから出たリサイクル待ちの金属です。

■地元住民
「初めて この金属にはそれぞれ役割や歴史があると思うが、そこに触れられて良かった」

■石川県から
「こういう場所で、一緒に触れるということで、より親近感が出てくる感じがした」

原発から出るごみは、放射能などの問題から、国によってその取り扱いが厳重に管理されています。

今回参加者が触れたのは、このうち放射能の濃度が極めて低く、「人の健康に対する影響を無視できるレベル」と国が認めたもので、一般の廃棄物と同様にリサイクルが可能です。

ところが、まだ原発構内のベンチなど限られた場所でしか活用されていません。

■主催者 敦賀SHG 中道尚子さん
「皆さんに知ってもらうことがすごく大事で、来てもらった人に触れたり、持ってもらったりすることで、これをどうしていかないといけないかなと、皆で考える一歩になったら良い」

県内では現在7基の原発で廃炉作業が進められていて、解体に伴って出るごみの扱いは避けて通ることのできない大きな問題です。

「ごみ」の中からいかに「資源」としての可能性を見出すか。

時代に合った取り組みが求められそうです。

なお、今年の夏には、県と電力事業者、それに嶺南の自治体が共同で20億円を出資して、敦賀市内に「クリアランス金属」のリサイクルを専門で行う会社も設立される予定です。

最終更新日:2025年2月26日 19:41
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