車内外のモニターに映像投影 移動中も楽しめる車両に 新型“自動運転車両”で実証走行、永平寺町
国内初の「レベル4」の許可を受けて自動運転車両を運行している永平寺町で、大きなモニターを備えた新しい車両を使った実験が始まり、移動中も楽しませる演出をします。
■リポート 藤原百花記者
「水墨画が動いているような、ユニークな映像が流れています。シアタールームのようですが、実は自動運転の車両なんです」
真っ白なボディに4枚の大きなモニターが搭載された車両は、大本山永平寺の周辺で導入が進められている自動運転の新型車両です。運転席や操作機器はなく、車内だけでなく車外のモニターにも映像が映し出され、周りの人も楽しめるようにしています。
これまでに小学校の敷地で実証実験を行っていて、今回は永平寺の門前にある駐車場で、12月4日まで住民や観光客を乗せて走らせます。また、同5日と6日には県立大学でも実験を行い、安全性を確かめたり、乗り心地や映像について評価をまとめたりして、新サービスの可能性を探ります。
■永平寺門前観光協会 井上隆二会長
「普通には見られない体験だったのでよかった。雰囲気が感じられたので、この辺に来た客にイメージが湧くのではないか」
ところで、永平寺町は去年3月、運転手や遠隔操作なしで走行できる自動運行「レベル4」の認可を国から受けているトップランナーです。従来の車両もさらにパワーアップしました。
■リポート 藤原百花記者
「車載カメラのリアルタイムの映像とデジタルが融合した、ユニークな車窓を楽しむことができます」
車内の前方に設置されたモニターには、現実に仮想空間が重なった新感覚の映像が流れます。ゆっくりしたスピードで走るため、単調になりがちな自動運転車両のドライブにエンターテイメント性を持たせるもので、3日から13日まで試乗会を行います。
永平寺町で進化する自動運転の取り組み。単なる移動手段にとどまらず、乗る楽しさとまちの魅力を発信する新しいコンテンツとしても期待が高まります。