新幹線開業から1年となるのを機に、これまでの成果とこれからの課題をシリーズの4回目。「恐竜王国」のアピールの成果に迫ります。"エキマエ"に次々と現れた恐竜ロボットに加え、ホテルにも土産物にも恐竜が。福井のキラーコンテンツに成長しています。

ワニのような頭を持つスコミムスや、全長12メートルのティラノサウルス。福井の玄関口で大迫力の恐竜たちが訪れた人を出迎えます。

■恐竜を見た子ども
「かわいい。こわくない」

■観光客(神奈川県から)
「動いてると思ってなかったので、びっくりした」
■観光客(群馬県から)
「迫力があってちょっと怖い。でもすごく立派」
「びっくりした。恐竜博物館に行こうと思ったけど、休館日だった。せっかく福井に来たので見られてよかった」

県と福井市が新幹線開業に合わせて取り組んだ、その名も「恐竜拡大プロジェクト」。

"エキマエ"の恐竜はどんどん増殖し、今では15のコンテンツが「恐竜王国」のアピールに一役買っています。

■県恐竜戦略室 安達哲雄室長
「他の県にないものは恐竜。恐竜で心をつかんで福井に興味を持ってもらう意味で"恐竜推し"でPRを進めてきた」

"恐竜だらけ"なのは、福井駅前だけではありません。

恐竜博物館を目当てに、大阪から家族旅行でやってきた澤田さん一家。双子のれんと君とももはちゃんが博物館と同じくらい楽しみにしていたのは…。

至る所に恐竜のモチーフが散りばめられた「恐竜ルーム」です。

■興奮する子どもたち
「あ、モササウルス」
「とりけらとぷしゅー！」

出迎えてくれたたくさんの恐竜。2人はさっそく夢中に。

■澤田竜人さん
「実は2回目で、この前来たときもすごく喜んでいたので、今回も予約して。ホテル自体が思い出になるので、この前も後で写真見返したらものすごく喜んでいるのが残っていて」
■妻･真由香さん
「1回目も結構興奮して寝なかったけど、きょう寝ないかなという感じはありますね」

澤田さん家族が泊まった福井市のホテルリバージュアケボノには、8つの恐竜ルームがありますが、新幹線県内開業後の人気はうなぎのぼり。

■澤田竜人さん
「土曜日、日曜日は(予約が)難しかったので、今回は1日ずらして金曜日、土曜日でやっと取れた」

県内では、17の宿泊施設に合わせて70部屋以上の恐竜ルームが整備されていて、家族連れを中心に稼働率も高くなっています。

■ホテルリバージュアケボノ 清水嗣能社長
「恐竜博物館とほとんどセット。これまで福井の恐竜博物館は知っていて一度は行ってみたいと思っていた客が、新幹線開業を機にドッと来ている印象」

恐竜人気は土産物にも。

くるふ福井駅でしか購入できない缶入りの恐竜サブレは、発売から1年が経った今も週末を中心に完売する日が続いています。

■東京から家族4人で
「私の友達からお土産でもらって良いなと思ったので、たまたまいっぱいあったので買いました」
■横浜からきた家族
「あっという間に無くなってしまって残念。是非次はゲットしたい」

県では、首都圏での出向宣伝や百貨店と連携して、バーチャル化石発掘体験などが楽しめる企画展を開催するなど、あらゆる機会に"恐竜推し"を続けてきました。

その成果は、恐竜博物館の来館者数にも表れています。

■県恐竜戦略室 安達哲雄室長
「これまでの最高がコロナ前の93万人だった。今年度はすでに11月時点で100万人を超えていて、年度末までいくと120万人にいくんじゃないか。来年度の一番の目玉は関西万博。福井県もパビリオンを出展する。恐竜ブースで出展するので、日本人もそうだし世界の人にもPRできると思う」

徹底した"恐竜推し"で、今や福井のキラーコンテンツに成長した恐竜。今後も開業効果の持続に向けたカギを握りそうです。