現役社員の笑いあふれるガイドが人気 バスツアーの中で福井鉄道の乗車体験 目指すは観光スポット=鉄道会社
恐竜博物館や東尋坊に続く福井の新たな観光スポットに。福井鉄道の現役社員による笑いあふれるガイドツアーが人気を集めています。目指すは“来てもらえる鉄道会社”です。
「みなさんようこそ福井鉄道へ。福井鉄道は存在すら知らない鉄道会社だと思いますが、何といっても日本一統一感のない鉄道会社です。電車の形も違う色もバラバラ。これほど統一感のない鉄道会社はないでしょう。」
いきなり自虐的な会社紹介から。これは恐竜博物館などを巡るバス旅行ツアーに組み込まれた福井鉄道の見学会です。
この日は関東からの旅行客およそ40人が参加し、神明駅から貸切列車で越前市の北府駅へ向かい車両工場を見学する企画です。これが今ひそかに注目を集めています。
その理由は現役社員の白崎さんによるガイドです。
水落駅で
「これ実は福井鉄道を利用する人が無料で利用できる駐車場です。信じられないでしょう。」
都会では考えられない、駅前の「パーク・アンド・ライド」の駐車場をこのように紹介。時にはまじめに。時にはユーモアたっぷりに、福井鉄道「愛」を語ります。
「実はメガネ産業発祥の地は麻生津村というところなんです。その浅水駅が大リーグ吉田正尚選手の故郷なんです。」
高度経済成長期を支えた歴史ある車両の前では。
「こちらは何としても宿敵国鉄に対抗しようと生まれた電車なんです。国鉄と戦うために生まれた電車なんですが国鉄に運搬してもらいました。」
2年前から始まった白崎さんのガイドは徐々に人気が高まり、今では月に5回ほど実施されています。
福井鉄道鉄道営業部 白崎正臣さん
「ここまで言っていいのかなという思いはありますが、ある意味攻めたというか、統一感のない車両だったり、路面電車が爆走するとか、福井県にこんなおもしろい鉄道が走ってるんだということを伝えたら思いのほか反響があった。」
人気に便乗して、ここでしか買えないふくてつグッズも開発し、白崎さんの話に引き込まれた旅行客は、クリアファイルやキーホルダーなどをまとめ買い。お金もしっかり落としてもらいます。
埼玉から
「びっくりした。はじめなぜこんなところに行くのかなと思った。本当と熱心で、ああいうキャラクターの人がいるっていうのはいいね。」
東京から
「話もとても面白かったし、説明も鉄道ファンでなくても楽しい企画かな。」
東京から
「会社のコンセプトだね。 無料駐車場があったり、企業努力をしているなと。」
人口減少の時代に先細りが懸念される地方鉄道。そんな中で自社の特徴を生かした賑わいづくりが大切だと白崎さんは考えます。
白崎さん
「笑顔があった方が活気がある。福井県の地方鉄道自体が活気あることが大事なので、そういう意味を込めて、福井を盛り上げる鉄道としてがんばっていきたい。新たな観光地に福井鉄道がなっていけるといいなという夢を持っている。」
ユーモアと笑顔あふれる、インパクト抜群のガイドツアー。新幹線開業のチャンスを生かした地方鉄道の新たな挑戦が始まっています。