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【特集】ブランド守る“黄色のタグ” 「越前がに」不正防止対策は? 京都で「間人ガニ」産地偽装事件

2024年4月9日 21:26
【特集】ブランド守る“黄色のタグ” 「越前がに」不正防止対策は? 京都で「間人ガニ」産地偽装事件
黄色のタグが付けられた「越前がに」

緑色のタグが目印の京都の高級ブランドガニ「間人(たいざ)ガニ」を巡って、先週末、産地偽装の疑いが明らかになりました。長年「越前がに」ブランドを守り続けてきた県内の産地にも衝撃が広がっています。

ゆでても、焼いても。刺し身でも。その味わいが人々を魅了する冬の味覚の王者「越前がに」。

越前町のカニ料理の専門店では、今シーズンの漁は終わったものの、いけすには新幹線需要を見越して多めに確保した「越前がに」が。その証がお馴染みの“黄色のタグ”です。

このタグを巡って、京都で産地偽装が疑われる事件が起きました。

■蟹かに亭 大門功宣さん
「ニュースを聞いてとても驚きました」
「信頼をおいている業者から仕入れている。地物のカニの提供を徹底して、お客さまにいい商品、いいものを提供したい」

先週、京都のブランドガニ「間人(たいざ)ガニ」を巡り、地元・京丹後市の水産会社の2人の男が逮捕されました。

警察によりますと、2人は去年2月、兵庫県内の港で水揚げされたカニに、緑色のタグを取り付けて「間人ガニ」と偽って販売した疑いが持たれています。2人は1隻の船からカニを通常より高値で買い取る見返りに、タグの横流しを受けていたとみられています。

カニのタグ付けは、ブランドの差別化と産地偽装を防ぐため、1997年に全国に先駆けて越前町で始まり、他の産地に広まりました。2018年からは、国が地域の水産物をブランドとして保護する地理的表示(GI)保護制度にも登録されています。

「越前がに」の黄色のタグは、県漁連から購入した底引き網漁船60隻の船主だけが管理することを許されています。

■越前町小型底曳網組合 泉誠会長
「誇りとプライドかけてやっています。1日1航海ずつ、何匹とった後、(タグが)何個残っているか徹底している。漁業者からの横流しはありえない」

シーズン中に水揚げしたカニと使用した数を徹底して確認するのに加えて、地理的表示保護制度で国のお墨付きを受けていることで、国の抜き打ちチェックもあるということです。

■越前町小型底曳網組合 泉誠会長
「漁解禁から、8240個から始めて最終的に今シーズンは2736個残った。何十年もかけて積み上げてやってこられたことが、信頼を失うのは一瞬やで」

京都のブランドガニで明るみとなった産地偽装事件。信用とブランドイメージを大きく損なう問題に、長年ブランドを守り続けてきたパイオニアからは嘆きの声も聞かれています。

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