日本版DBS「学習塾」「無認可保育所」は今後どうなる?……報告書案の中身 「さらなる検討が必要」…“痴漢”も焦点
性犯罪歴のある人を子どもに関わる仕事に就けないようにする、いわゆる「日本版DBS」。国の有識者会議が、報告書案をおおむねまとめました。塾や無認可保育所、学童保育などは制度導入を任意とし、痴漢などの犯罪は「さらなる検討が必要」とされました。
■法律違反、有罪確定でデータベースに
こども家庭庁の有識者会議によると、新たな制度では性犯罪に関する法律に違反し、有罪が確定した人をデータベースに載せます。そして、学校や保育所、児童養護施設などには、従業員を採用する際に性犯罪歴の有無を確認することを義務付けます。
一方、公的な認可を受けない無認可保育所や学童保育、塾、スイミングスクールなどは制度導入を任意とし、導入した場合は国が認定マークを発行するということです。
■不起訴の場合は「慎重であるべき」
痴漢など自治体の条例で取り締まる犯罪は、自治体によって罪となる行為にばらつきがあるとして、制度の対象とするには「さらなる検討が必要」としました。
また逮捕されても不起訴となった場合、制度の対象とするのは「慎重であるべき」と提言しています。
■落合さん「人権との両立も重要」
有働由美子キャスター
「日本版DBS、落合さんはどう見ていますか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「子どもの安全を守るために当然必要な取り組みだと思いますが、その上で人権との両立は非常に重要なので、データの保存期間については気になります。こういった課題でエラーは絶対起きてはいけないのですが、起きてしまう時は起きてしまいます」
「不採用の理由について性犯罪であることが相手に通知されない場合は、性犯罪歴がない人がエラーでそうなってしまった場合に、本人が異議申し立てをしにくいと思います。そのため、理由を本人だけには通知する形が望ましいのではないかと思います」
有働キャスター
「関係がない人に不利益が及ばないように、という配慮は必要だと思いますが、とにかく子どもたちを守るための実効性の高い仕組み、ルール作りをお願いします」
(9月5日『news zero』より)