宮内庁の関係者になりすまし献上品として桃などをだまし取ったなどとされる男の裁判で、検察は懲役3年を求刑しました。

詐欺と偽造有印公文書行使などの罪に問われているのは東京都の農業園芸コンサルタント、加藤正夫被告（76）です。
起訴状によりますと、加藤被告は2022年宮内庁の関係者になりすまし献上依頼書といううその文書を見せて福島市と茨城県の農家から桃とシイタケなど（桃4箱・時価1万6500円相当）をだまし取ったなどとされています。

7月2日に福島地方裁判所で開かれた裁判で、検察は「宮内庁が献上品の推薦権利を個人に付与することはない」としたうえで「巧妙な犯行であり悪質」として懲役3年を求刑しました。
一方、弁護側は「個人献上がないとは言えない。被告は献上依頼書を偽造したことは認めるものの献上品を推薦する権利がある」と主張し執行猶予付き判決を求めました。
最終陳述で加藤被告は「（献上品）選択の権限があると信じて5年間やってきた」と述べました。

判決は9月5日に言い渡されます。