神宮外苑再開発「準備整い次第、樹木の移植・伐採に着手」 事業者が審議会へ計画見直し報告
明治神宮外苑の再開発で、事業者代表の三井不動産などは21日、東京都の審議会に、事業の計画見直しを報告しました。
樹木保全策については、新設するラグビー場棟の規模を縮小するなどして伐採樹木を削減するほか、建物の高さを低くすることで日照時間を増やし、樹木の生育環境を良くすると説明しました。
審議会の委員からは樹木の移植先の環境や生態系に配慮すべきという意見があったものの、環境に著しい影響を及ぼす可能性については特段の意見は出ませんでした。
今後、工事を進めていくにあたり、環境保全措置を実施するとともに、「事業計画の積極的な情報公開や丁寧な説明を継続的に進めてほしい」と事業者側に伝えました。
三井不動産は、審議会終了後、「見直し案については受け止めていただいたと考えている」と話し、今後、樹木医など専門家の意見を踏まえて事業を推進していくとしています。
一方、樹木の伐採・移植については、「準備が整い次第、着手していく」として、現在、解体工事が進んでいる第二球場周辺の樹木から伐採を進めていく計画だということです。
移植は、今月から開始したいとしていますが、それぞれの樹木の移植に適した時期におこなうとしています。
明治神宮外苑の再開発をめぐっては、シンボルである4列のイチョウ並木は残されるものの、そのほかの樹木の伐採や移植、高層ビルの建設などについて周辺住民などから反対の声があがっています。
東京都は、再開発を進めるにあたり「都民の理解と共感を得ることが極めて重要」として、去年9月、事業者側に、樹木の伐採前に、既存樹木を保全するための見直し案を示すよう求めていました。
都の要請から1年経過した先月、事業者の三井不動産などは事業計画の変更届を提出し、21日、都の審議会で報告しました。