10月11日からの「全国旅行割」 高まる観光への期待…「忘れていた感覚が、だんだんよみがえってきた」
1人1泊につき1万円以上の補助が受けられる「全国旅行割」などが10月から始まります。出かけたい人や、客を迎えたい人など、こうしたチャンスを見越した動きが始まっています。
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23日午前、佐賀県・武雄温泉駅のホームは、多くの人でごった返していました。この日、長崎駅と武雄温泉駅を結ぶ「西九州新幹線」が開業。鉄道ファンたちが大挙して駆けつけました。
西九州新幹線1番列車の乗客
「(長崎駅から)1番列車で来ました。千葉に住んでて」
――千葉ですか!
西九州新幹線1番列車の乗客
「これのために休みをとって、ここに。やはり、けっこう興奮するものですね」
長崎駅・武雄温泉駅間は約66キロ。最短で23分と、“日本一短い”区間を結ぶ西九州新幹線。長崎駅では、一日駅長のタレント・長濱ねるさんが出発を見送りました。
長崎市出身 長濱ねるさん
「多文化な都市になっていくと、すごくワクワクしています」
武雄温泉駅で、チケットと一緒に、新幹線の車体を撮影していた男性は「観光の面としても、新幹線は大きなものなので、ものすごい喜ばしい」と顔をほころばせます。また長崎駅にいた男性も「長崎も、もっと観光客が来ると思いますよ」とうなずきました。
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高まる観光への期待。さらに後押しするのが、「水際対策の緩和」と新たな支援策です。
政府は、10月11日から一日あたりの入国者数の上限を撤廃、ツアー以外の個人旅行も解禁し、短期滞在ビザも免除に。
また、旅行代金に1人1泊につき、最大1万1000円分の補助が受けられる「全国旅行割」や、チケットの2割相当分を支援する「イベント割」も始まります(ワクチン接種者または検査陰性者が対象)。
「個人旅行の解禁」に向け、東京・日本橋のゲストハウス「hostel DEN」では、個人の外国人観光客の利用が増えるのを見越し、英語表記を付け足していました。
hostel DEN ゲストハウスマネジャー
「一番、直近で変えたところなんですけど、(キッチンカウンターにある表示に)『WASH→WIPE→BACK TO CUPBOARD』という(表記)を新しく付け加えた」
ただ、まだまだ進んでいないところも。ごみ箱の分別表記部分は…
hostel DEN ゲストハウスマネジャー
「まだまだ日本語しか書いていない状態で、これから英語を付け加えていかないと」
進める受け入れ準備。すでに海外からの問い合わせが急増しているといいます。
hostel DEN ゲストハウスマネジャー
「いくらパッケージ付き(ツアー)を緩和されても、うちには1人も入ってこない状況が続いていました。(個人旅行解禁で)やっと効果があるかな、というくらいです」
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23日夕方、東京・有楽町にいた会社員の女性は、「全国旅行割」の情報を知り、早速、旅行会社に行ったと話します。手には旅行パンフレットが。
女性会社員(50代)
「元々(11月から)九州に行く予定は予定だったんですけど、宿だけ予約させてもらって、支払いは後から…来月11日以降にさせてもらえたらいいなと(旅行会社に)お願いしました」
――(来月11日から)「イベント割」も始まります。コンサート行くのも割引に。
女性会社員(50代)
「へえ、知らなかったです」
――そういうのがあると?
女性会社員(50代)
「うれしいですね、“推し活”が楽しくなる!」
――何推し?
女性会社員(50代)
「SEKAI NO OWARIさんとか好きです。ライブと一緒に、ご当地巡りできたら楽しいですよね」
東京・池袋でも話を聞きました。会社員の2人組は…
会社員(22)
「(旅行)行きたいです!」
会社員(25)
「自分としては…たぶん行かない。そこまで(感染)リスクを冒してまで行かないと思いますね」
会社員(22)
「えらいね」
会社員(25)
「ははははは」
こちらの大学生のカップルは…
男子大学生
「温泉、行きたいです」
女子大学生
「草津とか」
――普段、行けない、ちょっと高い宿とか?
女子大学生
「行きたいです」
――彼女さん、行きたいって言ってます。
男子大学生
「行きます!」
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観光地・浅草からも歓迎の声が。
土産物店
「『外国人様々』って先代から言われてきた感じです。忘れていた感覚が、だんだんよみがえってきたという感じです。期待しています、すごく」
和菓子店
「浅草は外国人のお客さまも大変多くいらしていたので、またお客さんが復活してくれることは、すごくいいことだと思います」