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東条元首相の遺書と頭髪 ひ孫の思い

2021年6月9日 15:50
東条元首相の遺書と頭髪 ひ孫の思い

東条英機元首相のひ孫が記者に見せた“頭髪”。それは、元首相が長男に遺書とともに送っていたものでした。

東条英機元首相ら7人の「遺骨」を「太平洋上にまいた」とされるアメリカ軍公文書が新たに明らかになるなか、東条英機元首相のひ孫が日本テレビの取材に応じ、「家族には遺言と頭髪などが残っていて、散骨された海が日本の領海であるという点で、まだ本望ではないか」と語りました。

一般社団法人の代表理事を務める東条英利さん(48)は、東条元首相の直系のひ孫です。(長男のみ「英」の字を継承)

日本の学者が、アメリカ国立公文書館にある膨大な公文書から、遺体処理の経緯が記された報告書を発見したことを記者が聞くと、英利さんは「75年以上にもなって、このような公文書が明るみに出たことは大変良かったと思う」と語りました。

■「降伏文書」調印翌日に、長男に遺書と毛髪を送る

英利さんによると、東条元首相は長男(英利さんの祖父)に遺書を送っていました。遺書に書かれた日付は、日本が降伏文書に調印した翌日の1945年9月3日。遺書には髪の毛が入っていました。東条元首相自身が添えたとみられます。

その後、東条元首相はアメリカ軍憲兵(MP)が自宅を訪れた際、拳銃で自殺を図ったものの未遂におわり、連合軍に逮捕されました。

英利さんは、「本人としては、遺書などを送った時点で、すでにその『用件』は済んでいるのだろう」と話す一方、遺骨が海にまかれたとする記述については、「これは遺骸を神聖化されない手段として、アメリカが行う慣例と感じた」と話しました。

■米軍の監視の目をくぐり抜けて、一部の遺骨を持ち出した「説」
米軍将校が「報告書」に記した横浜にある火葬場(現・久保山斎場)から、A級戦犯弁護団側の関係者が監視の目をくぐり抜けて、遺骨の一部を持ち出したとされる「説」があります。

これについて英利さんは、「遺骨の一部が埋葬されていると伝えられている『殉国七士廟』には、具体的背景や施設の関係者など、詳細に関しては、ほとんど存じ上げていないが、プライベートとして何度か、家族で参詣させていただいたことがある」と話しました。

■コンプレックスと葛藤から日本の伝統文化を伝える

英利さんは幼少期から「東条」という名字へのコンプレックスと葛藤を持っていたといいます。8年前に「国際教養振興協会」を設立し、コロナ禍の今も、小学校などでお正月の意味を伝えるしめ縄づくりのワークショップを展開しています。

写真提供:東条英利さん

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