『こどものミライ』乳幼児健診デジタル化のメリット 全国初!4回の検診を手軽に 北九州市
■1歳児の母親(38)
「書くものがすごく多いです。」
■3歳児の母親(40)
「結構大変ですね。(子どもを)見ながらじゃ書けない。」
母親たちが口を揃えて話すのは、子どもたちの健やかな成長を守るために義務づけられている『乳幼児健康診査』についてです。
これまで福岡県北九州市の乳幼児健診では、母子手帳につづられた問診票に記入して受診していましたが、手書きだと記入漏れや、手帳そのものが傷んでしまうケースがありました。
■重信奈央 記者
「その乳幼児健診、すべての月齢を対象にデジタル化する取り組みが始まっています。」
そこで、市は9月から一部の医療機関で乳幼児健診のデジタル化を始めました。市によりますと、対象となる4回すべての健診がデジタル化されるのは全国で初めてです。
保護者は、市の子育てアプリを使って問診項目に回答しますが、回答の途中で一時保存が可能です。また、すべての項目に回答しないと次に進めないため、記入漏れを防ぐことができます。
入力した内容は病院で受け付けると、すぐに院内のシステムに共有され、医師は、それを見ながら結果や所見などを入力します。
■とくなが小児科クリニック・徳永洋一 院長
「ここにアラートが入っているということで、“新生児期に何かあったのかな”と、“ちょっと注意しないといけないな”と(気づける)。見落としは少なくなるというメリットはあります。」
■2歳児の母親(35)
「(スマホでできれば)楽ですね。自分の好きなタイミングでできるので。寝かしつけの途中とかでも合間合間でできるからいい。」
■2歳児の母親(40)
「紙をなくしたり(病院に)持って行くのも大きい紙なので邪魔ですし、電子化してくれたほうが忘れずに行けるかなと思って、いいと思います。」
メリットは、それだけではありません。
■重信記者
「病院でまとめられた健診結果は、即座に行政のシステムにも共有されます。」
紙の問診票だと、健診の結果がまとめられ、行政に報告されるまで受診から最大2か月かかっていました。
■北九州市 子ども家庭局・中原尚子 母子保健担当課長
「乳幼児期の1か月2か月は、非常に発達も大きく変わりますので。タイムリーな支援につなげるためには、リアルタイムに健診結果と保護者がいま何を不安に思っているかというところをつかめることが大事かと思っています。」
“子どもたちの成長を守る”という目的を実現するため、デジタルの力を活用する取り組みが広がっています。
紹介したシステムを導入しているのは北九州市内の12の施設で、乳幼児健康診査を行う医療機関の1割ほどにとどまっています。病院側の負担などの課題もあるため、北九州市では今後システムの改良を重ねて、協力してもらえる医療機関を増やしていきたいとしています。