“災害復興のシンボル”が突然閉館 3年前に東峰村が4億円投じオープンした観光施設 福岡
福岡県東峰村に災害復興のシンボルとして3年前オープンした施設が、2月10日、突然の閉館を発表しました。村からは4億円が投じられていますが、一切、事前の連絡などはなかったということで、地元では困惑が広がっています。
■東まどか記者
「3日前に突然、閉館を発表したこちらの施設は小学校をリニューアルした建物ですが、現在、人気(ひとけ)は全く感じられません。」
福岡県東峰村の「アクアクレタ小石原」は、閉校した小学校をリノベーションし、宿泊施設やレストラン、グランピングなどを備えた観光施設として3年前にオープンしました。
東峰村は2017年の九州北部豪雨で甚大な被害を受けました。
この施設は復興の象徴としても、地元から愛されていました。
■東峰村・真田秀樹 村長
「閉館のお知らせとアクアクレタのホームページに載ったのを、住民の方から電話をいただいて(知った)。」
東峰村の真田村長のもとに2月10日、突然届いた閉館の連絡でした。
施設には代理人弁護士による貼り紙がありました。
そこに書かれていたのは、「資金繰りに窮し、事業継続が困難となりましたので、 本日をもって事業を停止し、福岡地方裁判所に破産手続開始の申し立てを行う予定」でした。
村長には事前に全く相談がなかったといいますが、困惑している理由はほかにもあります。小学校のリノベーションに村から4億円が投じられたからです。
施設の運営会社は、土地と建物を5年間借りる契約を結んでいました。
■真田村長
「会社の経営者として、その対応はないんじゃないかというのはある。事前に相談してもらっていたら。」
突然の閉館に、村の人の反応です。
■村に住む人
「小学校の跡を改造しているから、よくできたと思いましたよ。近くだから残念なことではありますね。」
「寂しくはなるけど、 地域的になかなか(運営が)無理な面もあるから。」
東峰村は施設の存続を求めています。
■真田村長
「ものすごく地域の期待も大きかったし、しっかりやっていただいて泊まったかたの評判も結構良かった。今後どういう形で再開の道のりをつけるか、次の段階になるがしっかり見極めたい。」
地元の交流の拠点が何の連絡もなく突然、閉館したこの一件で、施設の運営会社の代理人はFBSの取材に対し、「できるだけ速やかに破産手続きをするよう準備中で、ほかのことは一切言えません」と話しています。