スターフライヤーがペット同伴サービスを国内全便に拡大 分かれる意見 緊急時は持ち出せず 福岡
北九州市に本社を置くスターフライヤーは、15日からペットを客室に持ち込めるサービスを国内すべての便に拡大しました。ペットの客室への持ち込みを巡っては、羽田空港の衝突事故を受け、議論が巻き起こる事態に発展しています。福岡の声を聞きました。
スターフライヤーが15日から国内すべての便に拡大した、客室にペットを同伴できるサービスでは、搭乗者1人に対して1匹同伴することができ、1つの機内で最大2匹まで乗せられます。
規定のケージに入る小型犬と猫が対象で、料金は1匹あたり5万円です。ケージは最後列の窓側の席に固定し、飼い主は隣に座ります。
おととし3月から、北九州と羽田を結ぶ路線に限定してこのサービスが提供されていましたが、ほかの路線への拡大を希望する利用客の声を受け、去年12月、サービス拡大が決まりました。
そんななか起きたのが、1月、羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突し炎上した事故です。
乗客・乗員379人全員は脱出しましたが、日本航空によると、貨物室に預けられた犬と猫の計2匹が犠牲となりました。
「ペットは家族と同じです。できることなら助けてあげたかった。」
「私は動物が大好きだけれど、動物が荷物と同じ扱いなのは仕方ない。」
「もし検討するなら、盲導犬とか災害救助犬とかから始めていくのも良いのかも。」
預けられたペットが犠牲となったことを巡り、有名人が意見を投稿したこともあり、ネット上では客室へのペット同伴を認めるかどうかの議論が巻き起こりました。
15日から客室へのペット同伴サービスを拡大したスターフライヤーですが、機内に持ち込む際の同意書を見てみると、緊急時には、ペットを機内に残して脱出しなければならないと書かれています。
スターフライヤーによると、国の方針でペットは手荷物と同じ扱いと定められているため、緊急脱出時は持ち出しできないということです。
■犬を1匹飼う人
「ペットも人間もみんな無事が一番だが難しい。」
■犬を3匹飼う人
「緊急時(ペットを)置いていかないといけないので乗せないかな。」
■街の人
「どうしても動物なので、人間のように『静かにしましょう』など制限がきかない。アレルギーを持つお客さんもいるので難しい。」
ペット同伴をめぐる議論の高まりは、今の社会でペットがどれだけ大事な存在とみなされているかを映し出していると言えそうです。
羽田での事故を受けて、ペット同伴サービスを行っているスターフライヤーにも意見が寄せられています。
「緊急時はペットも持ち出せるようにすべき」あるいは「人命を優先させるべき」といった内容が多いそうです。スターフライヤーは、「意見は社内で検討する」としつつ「弊社が単独で決定できる事項ではなく、しっかり議論する必要がある」としています。