佐賀県の玄海町議会は25日、原子力対策特別委員会を開き、いわゆる“核のごみ”の最終処分場の選定に向けた第1段階の調査受け入れを求める請願を賛成多数で採択しました。

玄海町議会には、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物・いわゆる“核のごみ”の最終処分場の選定に向けた第1段階の調査を受け入れるよう求める請願が地元の旅館組合など3つの団体から出されていました。

請願を審査する原子力対策特別委員会が25日午前10時から始まり、先ほど賛成6人、反対3人の賛成多数で請願を採択しました。

特別委員会のメンバーは町議会議員10人全員で、26日の本会議でも採択される見通しです。

その後、調査を受け入れるかどうかの最終判断は、脇山伸太郎町長が行います。

委員会での採択の直後、脇山町長は記者団に対し「町民から請願が出て、議会で採択されたわけですので、そこは大変重く受けとめています」と話しました。

脇山町長は、ゴールデンウイーク明けにも最終判断を示すとしています。

玄海町には玄海原発が立地しています。2段階目となる「概要調査」以降は知事の同意が必要になりますが、佐賀県の山口知事は「佐賀県はエネルギー政策について相当の役割を果たしていて、新たな負担について受け入れる考えはありません」と受け入れに反対の立場です。

文献調査については2020年に北海道の寿都町（すっつちょう）と神恵内村（かもえないむら）が同意していて、去年は長崎県対馬市で最終的には応募しなかったものの、議論が行われました。

今回、原発を持つ自治体としては全国で初めての動きです。