【発表】大牟田病院の職員4人の虐待を認定 いずれも1対1で 入院患者9人に性的・身体的・心理的虐待 福岡
障害のある入院患者に対し、複数の職員が性的虐待を繰り返していたとされる大牟田病院について、福岡県は23日午後3時から会見を開き、男性職員4 人が、いずれも1対1で、9人の入院患者に対し性的、身体的、心理的虐待を行っていたと発表しました。
国立病院機構・大牟田病院では2021年ごろから、複数の男性職員が障害のある複数の入院患者に対し、下半身を触るなどの性的虐待を繰り返していた疑いがあると発表し、ことし5月、会見を開き謝罪しました。
このうちの一部は、すでに通報を受けた複数の自治体によって性的虐待と認定されています。
病院は入院患者が住む自治体に通報し、自治体が調査していました。
自治体からの報告を受け、福岡県が23日に発表した内容によりますと、虐待をしていたのは男性職員4人です。虐待を受けた入院患者は男女あわせて9人で、このうち6人が性的虐待、4人が身体的虐待、4人が心理的虐待を受けました。
男性職員4人はそれぞれ、療養介助専門員、看護職員、介助員、療養介助員でした。いずれも1対1の状況で、次のような虐待が認定されました。
■療養介助専門員
「服の上からや直接、陰部や胸を触る」「わいせつな言葉を発する」
■看護職員
「頭をたたく」「引きずる」「ベッドを揺さぶり大声で威嚇」「痛がり拒否しているにもかかわらずマッサージを続ける」
■介助員
「わいせつな言葉を発する」
■療養介助員
「ベッドを揺さぶり大声で威嚇」「くすぐる際に胸付近を触る」「入浴や車いすの移乗の際に胸をつかんだ」「おむつ交換の際に陰部を執ようにのぞいた」
どうして虐待におよんだかについて、県は自治体の調査で「倫理観の欠如」「介護技術が劣っていた」ことを挙げているとする一方、職員4人がどんなことを話しているかは把握していないとしています。4人のうち2人は、すでに退職しているということです。
福岡県 福祉労働部の山田晶子次長は「障害がある人への人権尊重の意識が欠けた行為が認められ、県として非常に遺憾で、すぐに発見できなかった病院の体質にも課題があるのでは」と述べました。
県は今後、病院が自治体に提出した改善計画や、病院が設置した第三者委員会の再発防止策が適切に実施されているか、病院に出向いて確認するとしています。