【飲食店など8棟焼く】変わり果てた店内に「もうだめだな」火元の店の人「電気が落ちたあと出火」北九州市
5日夜、北九州市八幡東区で飲食店などが入る建物、合わせて8棟を焼く火事がありました。火元の店主は「ブレーカーが復旧せず、その後、火が出ていた」と話しているということです。延焼した店の店主は、変わり果てた店内を見て、言葉を失っていました。
木造密集地をオレンジ色の炎が覆います。5日午後9時すぎ、北九州市八幡東区中央で、木造2階建てのカラオケ喫茶の店舗兼住宅から出火しました。
■宮原真記者
「火災発生から4時間以上が経過していますが、現場からは煙が上がり、消火活動が続けられています。」
火は隣接する建物にも延焼し、あわせて8棟を焼いておよそ5時間半後に消し止められました。ケガ人はいませんでした。
■延焼した店の店主
「うちの店も燃えていたからびっくりです。みんな古いところだから気をつけていたんだとは思いますが、こんなに一気になるとは思いませんね。辛いです。」
■元木寛人フィールドキャスター
「辺りはまだ焦げ臭い匂いが残っています。2階部分は柱が真っ黒に焦げていて壁の一部がはがれ落ちるなど、火災の激しさを物語っています。」
警察と消防による実況見分が行われました。
火災現場で後片づけに追われる女性がいました。経営するカラオケ店が被災し、店内の様子を確認しに来ていました。
■延焼した店の店主・毛井多津子さん(78)
「これはもうだめだなと。もう何もできないね。ショックというか、もう本当、頭がパニックです。」
今後、店を再建するかどうか、迷っているといいます。
■毛井さん
「もう年が年やからですね、80近いから。若かったら、またやり直そうという気持ちもあるけれど、今のところはどうしようかなという状態でね。そこまでちょっと頭が回らないですね。」
警察によりますと、出火当時、火元の店は営業準備中で、店主は別の場所にいて店の中に人はいませんでした。
店主は、出火当時の状況について「電気が落ちたのでブレーカーを操作したが復旧しなかった。近所の人や電力会社に問い合わせていたら火が出ていた」と説明しているということです。
北九州市ではおととし以降、旦過市場をはじめ古い建物が密集する地域で大規模な火災が相次いでいます。
警察と消防が詳しい出火原因を調べています。