いわゆる“警固界隈（けごかいわい）”の仲間と共謀し、窃盗や強盗、強盗致傷など6つの罪に問われた住居不定・無職の20歳の元少年に対し、福岡地裁は8日、懲役7年の求刑に対し、懲役5年の判決を言い渡しました。

判決によりますと、元少年は去年６月、福岡市の警固公園で知り合った、いわゆる“警固界隈”の少年らと共謀し、SNSで援助交際を持ちかけるふりをして男性を呼び出し、腕をメリケンサックをつけた拳で殴るなどして、現金およそ2万2000円を奪いました。

また、同じ時期、少年らと共謀し、同様に呼び出した男性の顔などをメリケンサックをつけた拳で複数回殴るなどしてケガをさせ、現金2万円を奪いました。

判決では6つの罪をいずれも認定し、手口は狡猾（こうかつ）で悪質、いずれの事件も共犯者がメリケンサックを使い、特に強盗致傷事件は粗暴で危険性が高いと指摘しました。

さらに、被告は援助交際をする大人に対する嫌悪感があったと述べるが、犯罪が正当化されるはずもなく、金銭強奪目的という動機に酌むべき点はないと断じました。

そのうえで、犯行は別の人物が提案し主に暴行を加えるなど主導したと言えるが、被告は被害者を取り囲む一員となり、強盗致傷事件では被害者の顔を蹴るなどの実行行為を担い、上下関係はなく容易に断ることもできたため、安易に犯行に加担した点は強い非難に値するとしました。

短期間で立て続けに犯行に及び、粗暴性や遵法精神の欠如は明らかだとした一方、一部の事件では示談が成立し、被告は事実を認めて反省の言葉を述べているなどとして、懲役7年の求刑に対し、懲役5年の判決を言い渡しました。

元少年はこれまでの公判で、言葉を詰まらせながら「重く受け止めて心を入れ替えて、正しい道に進んでいきたい」と話していました。