シリーズ『こどものミライ』福岡県初!高校生設立の株式会社 食品の開発・販売通して学ぶことは
■研修の様子
「いらっしゃいませ。朝倉東高校が運営します、株式会社Easter Inc.でございます。どうぞ商品をご覧くださいませ。」
10月、福岡県朝倉市の朝倉東高校で、接客マナーの研修が行われました。授業ではなく、社内研修です。
去年1月に、福岡県内で初めて高校生が設立した株式会社Easter Inc.は、食品の開発と販売を通して町おこしをする会社で、商業科の生徒約300人が株主であり、社員です。
■研修の様子
「いらっしゃいませ。」
「ニンニクドレッシングって何と合いますか。」
「こちらの商品は、野菜だけでなくお肉にも合います。」
Easter Inc.ではこれまで、地元企業とコラボして、朝倉産の食材を使った約20種類の商品を開発し、文化祭や地域のイベントで販売してきました。
■試食の様子
「絶対こっちがいい。さっぱり、めっちゃさっぱり。」
高校の文化祭を1週間後に控えたこの日、開発担当の社員たちが2種類のドレッシングを試食していました。今回こだわったのは、料理との相性です。
■開発部オリジナル商品課 課長・石井凜さん(3年)
「魚に合うドレッシングを考えて作っています。お客様からのご意見で、魚に合うものがほしいということだったので。」
■開発部オリジナル商品課 ・川嶋結凪さん(3年)
「サバとかエビとかを持ってきて、それを調理して。」
ことし4月から開発をはじめ、魚と合わせて調理をしたり、使う材料を変えたりと、改良を重ねてきました。
パッケージラベルもドレッシングの味を表現したデザインにこだわり、共同開発する地元企業とギリギリまで協議を続けます。
■高校生
「ネギのところ、ネギのイラストの部分をもう少し束感を強めて濃い色にしてほしい。」
■地元企業の担当者
「束感ですね。」
■高校生
「パウチに(ラベルを)貼った時に目立たないと思ったので、この枠に黒枠を。」
■地元企業の担当者
「ここの枠に。」
■高校生
「そうです。」
試行錯誤を繰り返した新商品、あとは完成を待つのみです。
■川嶋さん
「何回も改善していくうちに、コンセプト通りに味が変わっていったので、めっちゃが自信があります。」
迎えた文化祭当日、朝倉市の商店街にはEaster Inc.の商品が並びました。前日に納品されたばかりの、あのドレッシングもあります。
■高校生
「初販売です、きょうが。」
■買い物客
「1つもらっていこうかな。」
■高校生
「ありがとうございます。」
■買い物客
「ネギのドレッシング、これ5つちょうだい。」
ドレッシングは予想以上に売れたものの、トラブルもありました。
■川嶋さん
「ネギが3個しかない。」
在庫がほとんどなくなったのです。
■川嶋さん
「だいぶ売れていて、出しちゃった。」
この日用意していた2種類のドレッシングはそれぞれ50本で、午前中に完売し、午後からは追加で用意しました。
■ドレッシングを購入した人(40代)
「去年も生徒と朝倉のほうで共同コラボしたドレッシングを売っていて、それがすごくおいしかった。新商品が出たと聞いて、買ってみようかなと思いました。」
■ドレッシングを購入した人(20代)
「(高校生が)社会を学んで町おこしを兼ねてしているのは、すごいなと思って尊敬します。」
みずからのアイデアを商品にして販売した高校生社員たちに思いを聞きました。
■石井さん
「(就職予定の)会社が一から開発する会社なので、一から考えるということに携われていいなと思いました。」
■川嶋さん
「意見とかをいただいて、そこから商品を作ることになったので、お客様のニーズを考える場面では学びになったと思います。」
高校生たちは自分たちの“しごと”に手応えを感じ、貴重な経験と自信が、将来の夢へとふくらんでいました。