なぜ?福岡市の中心部・天神にタヌキ 都市部で野生動物の目撃情報相次ぐワケ
福岡市の中心部で撮影された動画に映っていたのは、タヌキです。最近、街中で野生動物の目撃情報が相次いでいます。いったいなぜ、都市部で見かけられるようになったのか取材しました。
11月13日午前0時半ごろ、番組スタッフが撮影した動画です。
■スタッフ
「うわっ!タヌキだ!え?」
映っていたのはタヌキです。道路を横断中に、こちらに気づいたためか、慌てて逃げていきました。
■林有紀ディレクター
「交通量や人通りの多い、天神の中心部です。こちらの道路でタヌキが目撃されました。」
目撃されたのは、福岡市・天神にある親不孝通りを出てすぐの『昭和通り』で、日中は人通りや車が多い場所です。
街の人にも動画を見てもらいました。
■街行く人
「こんなところでタヌキが出るのは不思議よね。まさかね、(都心部に)出るとは思わないから。」
動物の生態に詳しい専門家に話を聞きました。
■筑紫女学園大学 動物生態学・佐々木浩 教授
「タヌキですね。間違いないですね。アナグマも似ていますが、アナグマは尻尾が短いのでタヌキと区別がつきます。」
環境省が去年発表した調査結果によりますと、東京や大阪など大都市圏とその周辺で生息分布が広がっているというタヌキですが、なぜ都心部で目撃されるようになったのか聞きました。
■佐々木 教授
「郊外に行くと少子高齢化で人の活動が低下していて、放棄された畑とかで野生動物がどんどん元気になってきている。それで(活動範囲が)都会のほうに広がっている。タヌキに限らずほかの哺乳類もそういう傾向がありますね。(タヌキは)攻撃性はないので、静かに見てもらえれば。」
佐々木教授は、見かけても餌付けをせず、寄生虫を持っている恐れがあるので近づかないようにと話しています。