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なぜ?強い臭いを発するカメムシが全国で大量発生 農作物にも深刻な被害 対策は

2023年10月3日 17:33
なぜ?強い臭いを発するカメムシが全国で大量発生 農作物にも深刻な被害 対策は

刺激を与えると、強い匂いを発するカメムシが全国で大量発生しています。農作物に深刻な被害を与えるため、佐賀県など全国20を越える道府県に注意報が出されているほか、都市部にも影響がでています。

9月下旬に佐賀県武雄市で撮影された映像です。看板を照らす照明に群がっているのは、おびただしい数の『カメムシ』です。

いま、全国のいたる所でカメムシが大量発生しているのです。

福岡県朝倉市にある果樹園では、一部の柿がカメムシの被害を受けていました。

■小ノ上果樹園・小ノ上喜三さん(74)
「これです、これ。(カメムシが)吸ってデコボコになっています。(Q. 切ったらどんなふうに?)(果肉が)スポンジ状になっています。」

柿の木の下には、カメムシの死がいがありました。「ここ十数年で最も多い」と小ノ上さんは話します。そして、発生の時期も遅れているそうです。

■小ノ上さん
「こんなに遅い時期に発生したのは初めて。遅くても9月の上旬だった。」

収穫の時期を迎えている自慢の柿は、糖度17度です。

ことしの出来は上々ですが、カメムシの被害に加えてシカによる被害もあり、早生柿の出荷量は全体の1.5割から2割ほど減ってしまう見込みです。

■小ノ上さん
「これから先の農薬散布は(収穫時期なので)難しい。気温が下がって(カメムシの)活動も緩やかになるので、まあなんとか。」

続いて訪れたのは、病害虫の発生予測などをする福岡県病害虫防除所です。福岡県は注意報レベルではないものの、ことしのカメムシの数は、かなり多いといいます。

■松原健介記者
「これは何日分?」
■福岡県病害虫防除所・松本幸子 所長
「5日分です。」
■松原記者
「多いほうですか?」
■松本所長
「多いほうだと思います。」

■松原記者
「ちょっと(臭いが)きますね。鼻の奥にズンと来る感じしますね。」

■松本所長
「いま悪さしているのが8月のお盆過ぎから活動しているカメムシなんですけれども、その時期の比較をしますと、去年の800から、ことし5000ということで。」

防除所で観測されたカメムシの数は、去年の6倍以上です。一体なぜこれだけ、大量発生しているのでしょうか?

松本所長はあくまで予想という前提で、梅雨以降の雨の少なさと、台風がほとんど来なかったことが要因ではないかと分析しています。

そして、これからの時期については次のように述べました。

■松本所長
「いまの時期からになると昼間しか動けなくなるので、特に果樹園とかは昼間でも見えるようになります。一般的に害はないが、おなかをすかせたカメムシは人間を刺すことがあるので、柔らかい首筋とか刺されることがあるので、注意されたほうがいい。」

害虫駆除の業者の元にも、カメムシ駆除の依頼が多く寄せられていました。

■エム・トレード 坂口宏臣さん
「(例年は)1か月で20~30件ぐらい。ことしは増えていますね。例年に比べたら倍以上の依頼が来ます。」

カメムシが集まるのは、おもに照明器具のまわりや、光が反射する場所です。

■坂口さん
「殺虫剤も使いますし、また飛来してくることもあるので、薬剤を噴霧して、壁とか床面とか雑草が生えているところとか(に散布する)。」

では、部屋への侵入を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

■坂口さん
「どうしても光に寄って来るので、遮光カーテンにするとか。窓のレールの隙間からでも入って来れるので、3ミリぐらいの隙間があれば入ってくるので。隙間テープみたいなもので隙間をふさぐ。」

それでも部屋に入ってきた場合の対処法を教えてもらいました。

■坂口さん
「使い捨てのコップなどをカメムシがいるところにそっとかぶせます。薄い紙を用意して滑り込ませるとフタの代わりなるので、あとはこのまま外に逃がす。」

使い捨てのコップがなければ、半分に切ったペットボトルでも代用できます。

農作物への被害と共に、その強い臭いで不快な印象を与えるカメムシですが、気温が下がれば活動は収まるとされていますので、あと少しの辛抱です。

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