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【核のごみ最終処分場】玄海町はなぜ「好ましくない」? 経産省「沖合も含めれば適地が見つかる可能性」文献調査の受け入れ判断は5月中に 佐賀

2024年5月8日 18:30
【核のごみ最終処分場】玄海町はなぜ「好ましくない」? 経産省「沖合も含めれば適地が見つかる可能性」文献調査の受け入れ判断は5月中に 佐賀
適していない?

いわゆる“核のごみ”の最終処分場の選定に向けた調査を巡って7日、佐賀県の玄海町長が斎藤経産相と面会しました。町長は議会の決定とみずからの思いとのはざまで「板挟み」になっていると心境を明らかにしました。

■吉原美樹記者
「玄海町長は東京の経済産業省に足を運び、大臣と面談をしました。およそ15分ほど話をしたということです。」

7日午後、東京都内で斎藤経産相と面会した佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長。

■玄海町・脇山町長
「大変私も悩んでいるところでございます。斎藤大臣にいろいろお話を聞きたいなと思って本日、参りました。」

■斎藤経産相
「文献調査は処分地選定に直結するものではありません。いわば対話活動の一貫であります。」

いわゆる“核のごみ”の最終処分場選定に向けた「文献調査」の受け入れについて、意見を交わしました。

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、“核のごみ”の最終処分場をめぐっては、玄海町議会で3段階ある調査のうち第1段階である「文献調査」への応募を求める請願が4月、採択されました。

一方、経済産業省も町に対して「文献調査」を受け入れるよう申し入れました。

7日は大臣から直接「前向きに検討してほしい」と伝えられました。

町長は町議会、そして、国からも文献調査を求めれられる形となりました。

■脇山町長
「やはりもう少し(土地が)広いところがあればいいのではという私の考え方は感じています。悩んでいるのは、住民の代表である議会の議決は重たいし、自分が今、思っていることとの板挟みを感じています。」

揺れ動く心の内を明かしました。

文献調査の受け入れに前向きな姿勢を示している、玄海町の松本栄一議員は8日、次のように述べました。

■玄海町・松本栄一議員
「町長も重い決断を迫られている状況だと思いました。より良い判断をしていただきたい。」

ただ、最終処分場の建設には慎重な考えです。

■松本議員
「あたかも最終処分場を造りますという風潮は別の話じゃないのかなと思います。まず将来世代に対して必要な資料・データ、すべてのありとあらゆる議論できるデータを収集すべき。」

一方、文献調査に反対する議員は、文献調査を受け入れれば最大20億円が交付されることから、これまでの取材で「お金目当てで手を上げているのではないかと見られる」と指摘しています。

一方、経産省で“核のごみ”の最終処分について、有識者として意見を述べている高野聡さんは。

■NPO法人 原子力資料情報室・高野聡さん
「核のごみの問題は調査の権限がある一自治体の問題だけではないと思っています。周辺の自治体の意見も聞き入れて、懸念をちゃんと考慮した上で意思決定すべきではないかと思います。」

町内だけでなく周辺の自治体と話し合いを進めた上で、判断すべきだと指摘しています。

玄海町の脇山町長は5月中に、文献調査を受け入れるかどうか判断するとしています。

これからの町長の判断が注目されますが、町長が懸念しているのが、そもそも佐賀県玄海町が最終処分場を建設する場所として適しているかどうかなんです。

■松井アナウンサー
「適していない場所には造れないですよね。」

こちらの地図をご覧ください。これは、国が作成したそのエリアが最終処分場の建設地として適しているかどうかを示す地図です。

玄海町は全域がシルバーに塗られています。これは建設地としては「好ましくない特性があると推定される地域」ということを示しています。

■松井アナウンサー
「いわゆる、最終処分場の建設地としては適していないと判断されている。どうしてなのでしょうか。」

その秘密は玄海町の土地にあります。そもそも、核のごみは安全のために、地下300メートル以上に埋めなければなりません。しかし、玄海町の土地には、ほぼ全域に「石炭」が埋まっている可能性があるんです。

■松井アナウンサー
「石炭が埋まっていたら、どんな問題があるんですか。」

石炭などの地下資源が埋まっている場合は採掘する可能性があることから、最終処分場の建設地に「適している」とは言えないということなんです。

■松井アナウンサー
「建設地として適していないと分かっているにもかかわらず、なぜ国は町に対して、文献調査を受け入れるよう申し入れたのでしょうか。」

先ほどの地図に戻るのですが、町の「沖合」はシルバーに塗られていません。経済産業省は「沖合も含めれば適地が見つかる可能性がある」と話しています。

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