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【能登半島地震から1週間】広島から現地取材した記者報告

2024年1月8日 19:55
【能登半島地震から1週間】広島から現地取材した記者報告

最大震度7を観測した能登半島地震は、発生から8日で1週間となります。
きょうは「NNN取材団」として現地で取材した濱野記者に報告してもらいます。

(濱野記者)
私は地震発生当日の夜に広島を出発し、2日目から取材に当たりました。
大規模な災害などが起きた時は、系列の放送局が集って共同取材体制を取ります。
私はその一員として、現地に入りました。
被災者の方に話を聞くと、「立っていられない揺れ」「経験したことがない地震」と話されているのがとても印象的でした。

今回、私が取材したのは、石川県の加賀市、そして能登半島の輪島市、珠洲市、七尾市、穴水町です。

現地でまず最初に感じたのは、道路状況の悪さです。
幹線道路から生活道路まで、至る所で崩落や陥没、ひび割れをしていたことから大渋滞が発生しました。
私は金沢市内から取材現場まで毎日行き来をしていましたが、とにかく移動が大変でした。
例えば珠洲市は通常、金沢市内から車で片道2時間半ほどですが、8時間かかりました。
消防や救助隊の車両はなかなか現場に辿りつくことができない状況でしたし、電波塔の復旧作業も進まず一部では携帯電話の電波がつながりにくい状況が今も続いています。

(馬場アナ)
家屋などの被害はどのような状況だったでしょうか。

(濱野記者)
震源に近い能登半島の先端に位置する珠洲市は、津波の被害を受けたエリアです。
海岸沿いの家屋は津波で押し流され、原形をとどめていないものも多くありました。
車や船も流されて「どこに行ったのか分からない」という住民の方もいらっしゃいました。
また、津波は免れたものの、揺れの影響で倒壊した家屋も非常に多く、地震後の火事で焼けてしまった場所もありました。
津波で被災した自宅に、薬を探しに来たというご夫婦に話を伺いましたが、着の身着のまま逃げてきて、「今の家には住めないだろう」と疲れ切った様子で声を振り絞って話してくれました。

一方で印象的だったのは、被災された方たちの命を守る行動です。
大津波警報が直後に出たため、すぐに逃げたとみなさん話されていました。
東日本大震災の被害も記憶にあり、自宅や車などを残し、とにかく自分や家族の命が最も大切だという意識がとても強く、行動に移れたのではないかと感じました。

(森アナ)
珠洲市以外の被害の状況はどうでしょうか。

(濱野記者)
輪島塗で有名な輪島市では観光名所ともなっている輪島朝市地区で大規模な火災が発生しました。
こちらの映像は、火災が起きた直後に近隣の住民の方が撮影した映像です。
この地区では200軒近い建物が焼け、東京ドームより広い、およそ4万8千平方メートルが焼失しました。
撮影した方は「消火するための水が確保できず燃えていく街をただ見つめるしかなかった」と話していました。

(馬場アナ)
今も多くの方が避難所などでの生活を余儀なくされていると思いますが、避難されている方々の様子はいかがでしたか?

(濱野記者)
幹線道路が寸断される中、地震発生後に支援物資がなかなか届かないという地域は多くありました。
たまたま正月ということで、自宅にあった水や餅などの食料を持ち寄り、避難先で分け合ったという話も多く聞かれました。
一方で、深刻だと感じたのは、トイレの問題です。
今は仮設トイレの設置が進みつつありますが、断水でトイレが使えず、やむを得ず竹藪に入って用を足すという方もいました。

(森アナ)
広島で放送をご覧になっている視聴者の皆さんができる備えなどはありますか?

(濱野記者)
被災者の方は「まさか元日にこんなことになるとは」と口を揃えて話されていました。「地震がいつくるか」分からないということを改めて感じました。
広島だけでなく、帰省先や、旅先で地震が起きる可能性もあります。
津波の情報があればすぐに逃げるといったように、災害が起きた時にどう行動するかを想定しておくことが命を守ることにつながるのではないかと強く思います。
また、災害時の備えとしては、水や食料の備蓄だけでなく簡易トイレを用意すること、小さなお子さんがいらっしゃる家庭では、車内に携帯トイレを常備しておくことも必要ではないかと思います。

(馬場アナ)
こうした話を聞いたり、現地の映像を見ると、広島にいる私たちも何かしたいと思いますが、どのような支援ができるでしょうか。

(濱野記者)
現地では必要な物資が日を追うごとに変わっています。
水から食料、そして食料から今は衣料品となっています。
私たちが物資を直接送っても、タイムラグがあるので、現地のニーズにそぐわなくなる可能性があります。
今は、支援金や義援金、ふるさと納税という形で、支援するのも一つの方法かと思います。
一方、石川県は一般のボランティア活動を控えるよう呼びかけています。
たくさんの人が押し寄せると道路が渋滞し、緊急車両の通行に支障が出るためです。
輪島市で店を構えている方は、「いつか必ず復興するので、その時には全国から観光にきて支えてほしい」と前を向いて話されていました。
広島からも支援の輪が広がり、一日でも早い被災地の復興と復旧を望むばかりです。

【2024年1月8日 放送】

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