すでに学級閉鎖も… 気になる広島県のインフルエンザの感染状況とは!? 2回かかっても安心できない理由とは!?【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回は、宮脇靖知アナウンサーが、広島県内でも流行の兆しが見られる「インフルエンザ」についてプレゼンします。
コロナが蔓延した2020年、2021年は、インフルエンザが流行らなかったため、2022年と、新型コロナ前の2019年の数字を比較すると、少し違いはありますが、寒くなってから、感染が拡大している状況です。
しかし、2023年は、すでに9月から流行が始まっています。広島県が指定した113の医療機関、定点医療機関あたりの、広島県の直近1週間の報告者数は、1週間で14.58人です。さらに、2週間で2.5倍の数字にまで上がってきているという状況です。感染者が10人を超えると、インフルエンザ注意報が発令されます。
なぜ、今年は感染拡大が早い?
広島県感染症・疾病管理センター桑原正雄センター長に、今年の感染拡大が早い理由を聞きました。2023年はオーストラリアを始め、海外でも例年より2か月ほど早い6月にピークを迎えたそうで、その影響ではないかという事です。また、行動制限が2類から5類になったことで解除され、感染対策も以前に比べると低下、さらに、この2・3年でかかっていない人も多く、全体的な免疫も低下しているのではないかという事です。
場所ごとに詳しく見ていきます。保健所の管轄管内で見ると、広島市、呉市、福山市では、広島市の感染拡大傾向が著しく顕著です。2週間前は、前週の2倍になり、さらに、直近1週間も増えている状況です。
また、竹原市、東広島市、大崎上島町では、定点当たり報告数が25.70です。30人を超えると、インフルエンザ警報のレベルになります。場所によっても、大きな違いがあります。(定点当たり報告数とは、定点医療機関からの報告数を定点医療機関数で割った値です。)
広島県のホームページでは、自分の住んでいる地域が、どれくらい感染状況なのか見ることができます。今、自分の周りが、どういう環境に置かれているのかを、しっかりと確認する必要があるので、これも非常に有効です。
集団感染も拡がりを見せています。広島市では、学級閉鎖など119あり、特に小学校が多いです。広島市にある堀江内科小児科医院の堀江正憲院長によると、やはり、子どもの感染が多いそうです。理由として、過去2年、感染していなかったことにより、集団でのワクチン接種を行っていない学校がほとんどで、免疫がないという事です。大人は、それまでに感染したり、ある程度免疫があります。ただ、この数年、子どもたちは免疫がなく、ワクチンを打っていないことで、子どもたちが感染する傾向がみられるそうです。
症状は、38℃から39℃くらいまでの高熱が出る人が多く、咳が出るのが特徴です。ただ、コロナも蔓延しているため、咳止めの薬が不足しており、病院でも、咳止めの薬を3日分くらいしか出すことができないという状況です。なるべく早いうちに、診断をしてもらい、対処をしていておく必要があります。肺炎など、重症化してしまう可能性があるので、症状をしっかりと見逃さずに注意してほしいということです。
インフルエンザに2回も罹る可能性が!?
注意点は、今年はインフルエンザに2回かかる可能性があるという事です。今、主流なのはインフルエンザA型ですが、この後B型に移り変わる可能性があると堀江先生は言います。すでに、インフルエンザにかかっていても「もう安心」ではなく、B型にかかる可能性があるので、ワクチンを打って、対策をしておく必要があるとのことです。A型も分かれていたり、B型も1つではなかったりします。今打つワクチンは、すべての型に対応しますが、ワクチンを打っても、その免疫というのは徐々に落ちていくので、1回打てば済むということではありません。子どもや高齢者が感染すると重症化する可能性があるので、防ぐという意味でも、ワクチンを活用化してほしいとのことでした。
【テレビ派 2023年11月6日放送】