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【長島カイセツ】転出超過全国ワースト 広島県の分析や対策は?

2025年2月7日 19:04
【長島カイセツ】転出超過全国ワースト 広島県の分析や対策は?

■小野アナ
先日、2024年の人口移動報告が発表され広島県が4年連続の転出超過1位であることがわかりました。

■井上アナ
これを聞くと広島の将来が不安になるのですが大丈夫なのでしょうか?

■長島アナ
たしかに対策が必要な課題ですが、同時に冷静に数字を見ていく必要があります。

この人口移動報告によると、去年、全国の都道府県から広島県に転入した人はおよそ4万3300人。これに対し、転出した人は5万4100人。
転入から転出をひくとマイナス1万700人ほどの「転出超過」となりました。4年連続で全国最多です。


■小野アナ
広島から人が減っているということは、その分、増えている、都道府県もあるわけですよね。

■長島アナ
転入者から転出者を引いてプラスになっているのは7都府県しかないんです。
首都圏と大阪、福岡に集中しているんですね。あとの40道府県は「転出超過」です。

■井上アナ
モノづくりの企業が多い、愛知と広島がワースト1,2位というのは意外です。

■長島アナ
実は、この数字は実態を反映していないと広島県は国に申し入れていました。
というのは、これは国内での移動のみを数えた数字なんですね。
例えば、技能実習生がまず広島にやってきて研修や日本学校に通っても転入とはカウントされません。

ところが、その実習生が研修を終えて、例えば実習先の岡山県に移動すると「転出」と数えられます。

広島は実習生の管理団体や日本語学校の数が多いので、転出が多くなっているというのが、広島県の見立てです。
そうした声を受けて今回初めて公表された国外との転入・転出などを含めた人口移動は2352人の転出超過となります。この統計だと全国10番目に多いということになります。

ワースト1よりはいいのですが、出て行く人の方が多いことは変わらず県は対策に乗り出しています。

広島県では去年からプロジェクトチームを立ち上げ転出超過の分析や対策を検討してきました。

■広島県総務局 経営企画チーム 手島憲明担当課長
「転出超過2352人,とりわけ若年層が中心になっています。特に進学、就職のタイミングをきっかけに若年層が出て行っている。」

若者はどのように受け止めているのでしょうか。広島銀行の丸山さんと村岡さんは広島市の高校を卒業後、東京の大学に進学、そして就職で広島に戻ってきました。

■東京の大学を卒業 広島銀行 村岡瞭さん(29)
「いわゆる街作りに対して銀行から支援するという業務をさせていただいています。(東京の)大学の時は、1限の授業の時の満員電車は自分には耐えられなかった。広島の方がその点は楽。だいぶ少ない」

丸山さんは、女性の先輩たちをみて働きやすい職場であることを実感しています。

■丸山友花さん(25)
「保育園に入っている子がいたら、時短勤務という制度があって、 仕事を辞めることなく続けられて家族との時間も大切にできる。将来ライフプランが変わっても続けられる職場と感じた」

ひろぎんホールディングス、中国電力、マツダの3社と広島県は去年、「はたフル」というプロジェクトを立ち上げ、若者が広島で働きやすい職場を作るための具体案を検討してきました。来年度に向け参加を希望する企業が増えているということです。

■ひろぎんホールディングス サステナビリティ統括部長木下麻子さん
「なんか広島の会社って面白そう だよとか、働き甲斐がありそう だよとか、なにかしら話題性が あったときに、帰ってみること を真面目に考えてみようと思っ てもらえると思うんですよ。そういういい話題、噂を県外に轟かせることが効果的だと思っています」

■長島アナ
国内移動を年代別に見てみると圧倒的に20歳代での転出超過が多いです。
だからといって、県も企業も、若者が県外に出ることにブレーキを掛けたり、囲い込もうとは思ってはいません。視野を広げるために外に出るのは意義のあることです。

大事なのは出て行くだけではなく、広島の外で様々な経験をした人がたくさん転入してくることです。
多様な人材が集まることが県の活力になります。
そのための魅力のある職場あるいは街作りをどう仕掛けていくか、県は来年度の予算にも反映させていく予定です。

【2025年2月7日 放送】

最終更新日:2025年2月7日 19:32
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