原爆投下から80年 節目の2025年幕開け 広島の年末年始を振り返り
最大9連休となった年末年始の広島の様子を振り返ります。コロナ禍が過ぎ去り、思い思いに休暇を楽しむ人たちで街がにぎわった一方、2025年は、原爆投下から80年となる節目の年でもあります。
年末は厳しい寒さに。県北部では積雪を記録し、住人は、雪かきに追われていました。
「奇跡の9連休」ともいわれた今回の年末年始。帰省ラッシュがピークを迎えたJR広島駅には、大きな荷物を手にした人たちの姿がありました。
■記者
Q何連休ぐらいできそう?
■静岡に帰省
「9連休です。社会人1年目なので、できるだけゆっくり過ごしたいですね」
■佐賀に帰省
「両親と温泉に行こうと思ってまして、ゆっくりしたいなと思ってます」
一方、連休を前に県全域に発令されたのが「インフルエンザ警報」です。コロナ禍は終わっても、体調に気を配りながら過ごす年末年始となりました。
年の瀬に届いた訃報。アメリカの元大統領ジミー・カーター氏が100歳で亡くなりました。カーター氏は大統領を退任後も、世界平和に尽力。1984年には平和公園を訪れました。
■ジミー・カーター元大統領
「核兵器による大虐殺が起こりうるかは世界のリーダーの姿勢や行動だけでなく私たちの関心や平和を保とうとする強い要求にかかっています」
1990年には、三次市甲奴町を訪問。30年以上にわたり、交流が続いていました。
三次市にあるカーター氏の名前がついた施設には、大みそかに記帳台と献花台が設けられ、市民らが死を悼みました。
■女性
「カーターさんの笑顔を見ると涙が出るような感じがします。交流っていう形で平和とか人のつながりを感じたので」
■男性
「甲奴町にはなくてはならない人だと思います」
平和公園から見た初日の出。原爆投下から80年となる2025年が幕を開けました。
■男性
「初めて初日の出見に来たんですけど、素敵な1年になりそうな気がします」
■女の子
「きれいだった。楽しい1年にしたい」
新年の始まり、原爆慰霊碑に捧げる祈りです。
元日に開かれた演奏会。原爆の熱線と爆風を受けた「被爆ピアノ」による平和の調べです。アメリカ出身のピアニストの演奏に約80人が耳を傾けました。
■演奏を聴いた人
「過去を見ることはできないけど、過去の音に触れることは、今こうやってできることはわかったので、今後もあってほしい」
■演奏会を企画 矢川光則さん
「後世に(被爆の実相を)どう伝えていくかが大きな課題になっている。そういうことを考えれば被爆ピアノが果たしていく役目はますます大きくなる」
初詣客でにぎわった広島護国神社。
幸せな1年になることを願って手を合わせました。
■女性
「みんなが幸せに、それぞれの幸せが叶えばいいかなって」
広島にとって節目の年となる2025年。
被爆地から世界にどんなメッセージを届けることができるのか。
その役割が問われる1年が始まりました。