「山陽新幹線」全線開業から50周年 カープの初優勝にも貢献
広島の陸の玄関口が大きく変わろうとしているなか、10日、「山陽新幹線」が全線開業から50周年の節目を迎えました。
JR広島駅では記念のセレモニーが行われました。
新大阪と博多を結ぶ山陽新幹線は1975年3月10日に全線開業しました。
当時の最高時速は210キロ。広島と東京は5時間8分で結ばれました。
10日のセレモニーには、湯崎知事や広島市の松井市長とともに、全線開業した年に生まれたカープOBの黒田博樹さんも出席しました。
■湯崎英彦知事
「ここ広島の地にも観光やビジネスといった面のみならず医療・教育・文化など様々な分野において多大な効果がもたらされました」
■カープOB 黒田博樹さん
「5年間、開幕投手をさせていただいたんですが、広島駅から東のビジター球場に向かってシーズンの緊張感、高揚感を持ちながら新幹線に乗っていったというのを非常に懐かしく今でも鮮明に覚えている」
山陽新幹線の全線開業は、あの歴史的な出来事にもつながります。
開業の7か月後に達成したカープ、悲願の初優勝。
移動時間の短縮により、遠征の負担が減ったことも選手にとっては大きかったといいます。
■カープOB 外木場義郎さん(2015年)
「山陽新幹線のおかげだと思ってます。これがなかったら、おそらく優勝できなかったんじゃないか。それぐらい移動で本当に楽になりました」
3度目の優勝の知らせを聞いたのは新幹線の車内。カープと新幹線の歴史が重なります。
一方、1988年には、新尾道と東広島の2つの新しい駅が誕生。その後の地域の発展に貢献します。
1993年には「のぞみ」が登場し、その後も新しい車両の導入で最高時速は300キロまでアップ。広島と東京の移動時間は最短で3時間43分となり、開業当初より、1時間25分縮まりました。
■JR西日本 佐伯祥一 中国統括本部長
「これからも安全・安心をいただける輸送サービスを大前提として、沿線地域の活性化につながる取り組みを進めてまいりたいと考えております」
全線開業からの半世紀におよそ30億人が利用してきた山陽新幹線。運転士の帽子や歴代の車両の模型を並べたモニュメントが9月末まで新幹線コンコースに設置されます。