1.4億円超の使途不明金…裁判費用約368万円横領の疑いで元弁護士の男逮捕
裁判の弁護団費用1億4000万円あまりが使途不明になっていた問題で、元弁護士の男が逮捕されました。B型肝炎の感染者が国に賠償を求めた裁判の弁護団費用を横領したとみられています。
業務上横領の疑いで逮捕されたのは熊本市東区御領の元弁護士内川寛容疑者(63)です。内川容疑者は、全国B型肝炎熊本訴訟の弁護団長を務めていた7年前の5月から12月までの間、管理する弁護団の口座から自分で使う目的で12回にわたり金を引き出し、あわせて約368万円を横領した疑いがもたれています。
後任の弁護団長によりますと、弁護団費用をめぐっては約1億4445万円の使途不明金が判明していて、内川容疑者の事務所の経費や住宅の借金返済にあてる目的で着服したとして県弁護士会が刑事告発し、弁護団が刑事告訴していました。
警察の調べに対し、内川容疑者は「資料等ではっきりしているのであれば争うことはない」と話しているということで、警察はほかにも同様の被害があるとみて調べています。
県弁護士会の河津典和会長は、「弁護士に対する信頼を著しく損なう重大な問題で極めて遺憾です。再発の防止に努めてまいります」とコメントしています。