なぜ18歳は選挙に行くのか 知事選初の年代別推計投票率から見えたものは…
49.63%。3月の県知事選の投票率です。前回を4.6ポイント上回りましたが、過去5回中、4回50%を切っています。
3月の熊本県知事選挙で熊本市選管は、市内の5つの区から1か所ずつ投票所を抽出。県知事選としては初めて年代別の推計投票率を公表しました。
それによりますと、最も高かったのは70代前半で66.54%
次いで60代後半と70代後半となりました。
最も低かったのは、20代前半の19.12%など若者の投票率の低さが浮き彫りになりました。
そんな中目立ったのが「18歳の投票率の高さ」です。
37.57%と、20代や30代より高くなったのです。
熊本大学法学部の伊藤洋典教授は、若い世代の投票率について次のように分析しています。
■地方行政に詳しい 熊本大学法学部・伊藤洋典教授
「高校生の時は学校で一生懸命選挙に行きましょうという、いわゆる主権者教育が学校であるんですけど、大学生になってくるとそういったことを言う人が周りにいなくなる。どうその下げ幅を最小限に抑えるかというところは課題ではあります」
伊藤教授はこのように話し、18歳の投票率の高さは「主権者教育」の一定の成果といえると分析。その一方で若い世代全体の投票率を向上させるには“選挙を通じて社会に参加する意識を育てる”ことが重要だと指摘しました。
■地方行政に詳しい 熊本大学法学部・伊藤洋典教授
「子どもの時から校則など社会のいろんな仕組みとかルールを守ることだけをずっと教えられていると、世の中というのは誰かが作ってくれるものだと考えてしまいますので、学校のルールとかを作る時にどう(生徒の)学校での参加といったような体験を作っていくかが重要なことではないか」
知事選の18歳の推計投票率は37.57%でした。直近の国政選挙と比較しますと、2年前の参院選の34.38%よりも高かったんです。
カギとなるのが「主権者教育」。学校での教育はもちろんですが「家庭でも取り組める」と伊藤教授は話します。
それが「子連れ投票」です。気が引けるという方もいらっしゃるかもしれませんが、一緒に行くことで子どもが選挙を身近に感るだけでなく、親の意識も高まる効果が期待できるということなんです。
一人ひとりができることから始め、社会参加の意識を高めていきたいですね。