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第4子・第5子がいる世帯が増加 子どもが5年間で6%増えた熊本・御船町の取り組み

2024年5月2日 19:18
第4子・第5子がいる世帯が増加 子どもが5年間で6%増えた熊本・御船町の取り組み
視聴者の皆さんが気になったことをKKTで調べてお伝えする「県民のギモン」。今回、視聴者の方から「熊本の子育て支援について気になります。各地域でどのような取り組みが行われてるのでしょうか?」というメールをいただきました。そこで、ある町を取材しました。

取材したのは、熊本市の南東に位置する上益城郡御船町です。九州中央自動車道が通り、恐竜博物館が人気の町で、人口は1万7千人ほどです。
■緒方太郎キャスター
「町内の広場に来ましたが、地元の小学生ですね、子どもたちの数が多いですね」

18歳までの子どもの数が、最近の5年間で6%増えているというんです。
■町民
「近くに住宅地が50軒くらい一気に造成されて、バーって建った。今年入学した小学校1年生は2クラスあるんですよ。今までずっと1クラスだったんですよ。増えていると思って」

3年前、熊本で初めて会員制のショッピング施設、コストコの誘致をきっかけに、移り住む人が増えています。さらに、驚きの変化も。
■3人の子どもを育てる母親
「まわりも平均4人という人が結構多くて、町のみんなで育てているという感じ」

■御船町こども未来課 緒方真理課長
「最も顕著なのが、第4子・第5子の世帯が53世帯から79世帯まで増加している状況です」
Q横ばいだけでもすごいのに、第4子・第5子を出産された方が町の中で増えてきている?
「はい、そういうことです」

背景にあるのが、町独自の子育て政策です。
■緒方太郎キャスター
「御船町の子育て政策の1つが、こちらのチケットです。1歳の誕生日の月まで月5000円、3歳までは月3000円の育児用品券がもらえるそうです。それだけではないんです。出産届や婚姻届を町で出すと、このようなアニバーサリーチケットももらえます」

今年度、子育て政策に総額16億7千万円を投じ、医療費は高校3年まで無料です。
■御船町こども未来課 緒方真理課長
「移住定住の促進も、子育て政策とからめて考えております」

御船町は、この1年人口の増加率が1.30%と、熊本県内で最も高くなりました。

一方、県内全体でみると、4月1日現在の総人口は、推計で169万8145人。第1次ベビーブーム後の1956年に190万人を超えてピークを迎え、20年ほど前から減少に転じ、約50年ぶりに170万人を下回りました。

県内の市町村で人口の減少率が最も高かったのが球磨村です。
■住民
「仕事がないわけですよ、村の中には」
■住民
「若い者があんまり増えとらんですもんね」

球磨村の人口は約2700人。小学校2校と中学校1校を再編し、4月、小中一貫の義務教育学校となりました。村長は、4年前の熊本豪雨が減少に拍車をかけたといいます。

■球磨村 松谷浩一村長
「元々、ああいう大きな災害は全く想定していなかったので、住宅の建設場所であるとか特に高台であるとか、それを整備するまでに時間がかかるということで、 なかなか村民の方も住みたくても住む場所がない」

今は働く場も減り、村外に出る若者が増えています。村は、住まいの整備を第一に、子どもを含む人口減少対策に取り組みたいとしています。
■球磨村 松谷浩一村長
「人口減少にもしっかり対応していくというのが、まず一番の課題。仮設住宅の利活用が、まず最も優先される部分かなと思います」

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
取材した球磨村のように、人口減少率が高かった地域は県の南部に多くなっています。南北の格差が広がらないように対策を取っていく必要があります。

(平井友莉キャスター)
地方行政に詳しい熊本県立大学の澤田 道夫教授に、人口の増加・減少を左右する要因について聞きました。

■熊本県立大学 澤田道夫教授
「人口というのは自然減と自然増、出産ですね、それの差し引き、社会増減の差し引きで決まってくるので、 社会増減については、やはり雇用が重要。一方で、自然増減については、出生率を高めていく必要があります。雇用と子育て、これをセットで自治体が積極的に支援をしていく、そういう必要があると考えています」

(緒方太郎キャスター)
紹介した御船町のように、妊娠・出産から子育て支援に力を入れることと、雇用対策が今後の人口減少を少しでも食い止める重要な鍵になるということですね。

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