磯焼け被害の原因ウニ 氷見高校が活用策模索 廃棄野菜で育てるプロジェクト
全国各地の沿岸でウニが海藻を食べ尽くし、海の砂漠化と呼ばれる「磯焼け」を引き起こしています。
県内でも被害が確認される中、氷見高校は駆除したウニを廃棄野菜で育てる養殖プロジェクトに取り組んでいて、今後、外部団体との連携を強化し商品化や新規事業を推進する考えです。
いけすの中で育てられているのは、地元の海で取れたムラサキウニ。
魚や貝の住かとなる海藻を食べつくすため厄介者として駆除されたものです。
近年、全国各地でウニが海藻を食べ尽くす「磯焼け」の被害が相次いでいます。氷見の沿岸でも被害が確認されましたが、身が少ないため商品価値がなく取るものはいませんでした。
こうした中、地元の海を守ろうと氷見高校の海洋科学科が、2022年に駆除ウニの商品化を目指す養殖プロジェクトを始めました。
エサとして与えているのは廃棄された野菜で、トマトのほかコマツナやキャベツなどです。2023年行った試食では、甘みがあり上品な味になっていたということです。
この取り組みをさらに推し進めようと2023年度から、県内農家が廃棄する規格外野菜の提供などをしてきた射水市の一般社団法人「とやまのめ」などと包括連携協定をしました。
商品化に向けては、高岡市の昆布締めの店や東京のすし店との連携して商品開発を進めるほか、ウニの殻を使って衣類を染める新規事業や学生ビジネスコンテストへの参加を通した情報発信などにも取り組む方針です。
とやまのめ 中谷幸葉代表理事
「社会課題ってお金にならない、そういったものではなくて、しっかりとそれがかみ合うような取り組みをしていきたいと」
氷見高校 藤田俊秀校長
「子どもたちを育てるのは、教員だけではある程度の範囲で納まってしまう。さらに外部とつながるので、範囲がものすごく広がる。そんなところですごく期待している」