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「天国で元気でいてくれたら…」遺族語る 地震で亡くなったじいちゃんへ 石川の実家で被災 滑川市の女性の思い

2024年2月6日 19:43
「天国で元気でいてくれたら…」遺族語る 地震で亡くなったじいちゃんへ 石川の実家で被災 滑川市の女性の思い
能登半島地震による犠牲者はこれまでに240人に上ります。

震災で家族を失った県内の女性が取材に応じ、深い悲しみを語りました。

取材は吉田記者です。

北野薫さん
「車もすごい横揺れしたし、立っていられない揺れで、揺れはひどかったです」

滑川市の介護福祉士、北野薫さん(37)。

元日は、息子の琉希愛さん(14)と共に石川県穴水町にある実家に帰省していました。

家族で羽咋市の神社まで初詣に訪れていたその時、大きな揺れに襲われました。

倒壊する家屋や崩れる道路など巨大地震による甚大な被害を目の当たりにしました。

北野さん
「のと里山街道が崩れて通れる状況じゃなくて、降りてくださいって言われたけど、1~2秒ずれていたら滑落するくらいになっていて。」

穴水町の実家では家族全員が無事でしたが、輪島市にある祖父の家は揺れに耐えきれず倒壊しました。

北野さん
「おじいちゃんが 地震があった1回目に家が倒れて、2回目で全壊。生き埋めになってしまった」

北野さんの祖父、谷内良正さん(88)。崩れ落ちた家の下敷きになり、地震発生から2時間後に亡くなりました。

北野さん
「じいちゃんは、めっちゃ頑固で、頑固だけどめっちゃ優しかったし、植物公園とかみんなで一緒に行ったりしたし」

良正さんは生前、自閉症を抱える琉希愛さんの学校生活についていつも気にかけてくれていたといいます。

北野さんの息子・琉希愛さん(14)
「なんでこうなったんやろって思って、なんていうか、心がすごい傷ついた感じ」

琉希愛さんは、良正さんの葬儀に際して手紙をしたためました。

琉希愛さん(手紙朗読)
「いつもお話をしてくれてありがとう。天国に先に行くの寂しいですが、天国で元気でいたら嬉しいです」

北野さん親子
「(祖父は)幸せだと思います、寂しいけどね」
「寂しいけど多分見てくれてる」

能登半島地震による犠牲者はこれまでに240人。

建物被害は5万件を超えました。

多くの葬儀場も倒壊し、故人を偲ぶこともままならない状況が続いています。

北野さんたちが良正さんの葬式を行うことができたのは、輪島市から100キロ以上も離れた白山市の葬儀場で、亡くなってから10日経ってからのことでした。

北野さんは、この週末も農業を営む実家やその周辺を訪れ、災害ごみの片づけの手伝いなどを行いました。

震災から1か月が経過しましたが、被災者の生活だけではなく、それぞれのなりわいについても再建に向けた課題が山積していると感じています。

北野さん
「テレビがつかないとか、電波が届かないというのはしょうがないかもしれないが、農家とか農業とか家畜をやっている人はどうやって生活をしていくのか。収入源がなくなった時の生活、収入はどこから来るのか、どうしてあげたらいいのかという思いがあります」

北野さんは道路などのインフラは復旧しても、個人の生活を含めた復興にはかなり時間がかかるのではないかと危惧していて、被災地の復興のために少しでも思いを寄せてほしいと話していました。
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